本田圭佑、わずか1試合で評価が急降下

ベローナ戦から一夜明けた20日、イタリアの現地紙は本田圭佑に対して厳しい評価を付けた。これまでの2戦は高評価だっただけに急降下したことになる。これがカルチョの国からの洗礼なのだろう。

■「ホンダ、空っぽ。カカは抜け目ない」

 20日付イタリア三大スポーツ紙は19日のベローナ戦でリーグ戦初先発を果たしたACミランMF本田圭佑に対し、いずれもチーム最低点という手厳しい評価を下した。

「ガゼッタ・デロ・スポルト」紙はロビーニョ、シルベストレ、ビルサと並ぶ最低点の5.5点。評価の項目の見出しは「ホンダ、空っぽ。カカは抜け目ないハイレベルなプレー」とチーム最高の6.5と高い評価を与えた司令塔カカとのコントラストをはっきりとつけた。

 寸評では「日本人は適応力があるが、1週間で3人の監督はあまりにも多過ぎた。実りなく、不毛にポジションチェンジを繰り返した。シュートは無様だった」とACミランの「背番号10」は3戦目にして初めて低評価を受けることになった。

 初戦サッスオーロ戦の敗北でアッレグリ監督が更迭され、タソッティ暫定監督、そして、セードルフ新監督がベローナ戦で就任初戦となるチーム状況に同情しながらも、プレー面での評価は芳しくなかった。

 イタリア3大紙の残り2紙、「コリエレ・デロ・スポルト」紙と「トゥット・スポルト」紙はいずれも5点。勝利チームの選手に与える数字としては落第点ともいえる寂しい数字だった。

「ホンダには敵陣に切れ込む仕事がなかった」と評価欄の見出しで評したコリエレ紙はビルサ、ロビーニョと並ぶチーム最低点だった。

■「FKは彼が蹴っていたが、結果はあり得ないものだった」

 そして、「バロテッリの1トップの中央で苦しみ抜いた。まるで酸素が足りないようで、チームにほとんど影響力を及ぼさなかった」と本田について論評していた。トップ下、右と様々なポジションチェンジを繰り返したが、ベローナの守備的戦術で決定的な仕事をできなかった本田には残念な評価となった。

 トゥット紙はやはり「カカ 勝利の稲妻」と評価欄でブラジル人司令塔を絶賛。本田に関してはなんとチーム単独最低点を与えた。「懸命にプレーしていた。初めFKは彼が蹴っていたが、結果はあり得ないものだった。ゴール前でのコントロールを誤った」と分析。

 ミラン加入後、短期間で3試合こなした本田の献身には一応触れていたが、プレー面では"見るべきものなし"との評価だった。ACミランの厳しいチーム状況を鑑みて、カンフル剤との期待もあり、移籍直後の2試合で地元メディアで一気に高騰した本田株だったが、わずか1試合で評価が急降下した。

 インテル長友佑都が「イタリアはいい時は持ち上げてくれるが、悪い時は世界でも一番厳しい」と語っていたようなイタリアらしさとも言えるが、カルチョの世界の洗礼を、本田がベローナ戦でついに受けることになった。

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