恵比寿ガーデンプレイス内に今年4月に新しく設置された図書スペース「COMMON EBISU」を個人的に視察しました。たまたま銀座で読んでいた読売新聞に取り上げられており、1時間後には恵比寿に足が向いていました。
写真のように、フロアの一角に1つの本棚と複数の椅子やソファが並べてあるシンプルな空間です。「みんなが読み終わった本で作る」をコンセプトとしており、本棚もたった1つだけです。
ゆえに本も新しい本が置いてあるわけではなく、基本的に寄贈されたものです。オープン時間は平日午前11時から午後10時で、割と遅くまでやっています。私が行ったときも、子どもに本を読ませている親御さんや、お洒落な机でパソコンを開いて作業をしている若い方もいました。
上の写真の本棚は「感想文庫」と命名されています。なぜ、その名前が付けられたかと言うと、本を借りた人は返すときに裏表紙に貼ってあるカードに読んだ感想を書き込むことができるからです。
ちなみに上の感想は百田尚樹さんの「夢を売る男」という本の裏表紙です。2行程度で感想が書いてあります。読売新聞の記事によると、もともと、この感想文庫は恵比寿の地域情報を取り上げるインターネットサイト「恵比寿新聞」編集長の高橋賢次さんが、恵比寿ガーデンプレイスから依頼を受けて考案したものだそうです。
本を借りた人はカードに、読んだ感想を書き込むことによって本を通して知らない人と文通しているような感覚を持つことができるのが狙いです。この感想文庫の手法ですが、思いつきそうで思いつかないアイディアだなと思いました。
私はアマゾンでよく本を購入しますが、その際、購入した人のコメント欄は絶対気になります。この感想文庫は設置されているのが大都会の恵比寿なので、感想を書いた人の顔があまりイメージできないかもしれませんが、もしこれが地方の小さな街の図書館で実施されたら、エリアが狭いので、本当に文通しているような感覚になるかもしれません。
古典的といえば古典的な方法ですが、本の裏表紙を通して人と人とが繋がる素晴らしい手法だなと思いました。私も次回の市議会の一般質問で、我が街の図書館も取り入れてみてはどうかと提案したいと思いました。
東猴史紘