アフガニスタン、バンデアミール国立公園のパークレンジャーたち。国連開発計画(UNDP)は野生動物保護協会、地球環境ファシリティ小規模補助金プログラムと共同で、環境保護と地域住民へのクリーンなエネルギー提供を図るプロジェクトを運営しています。Photo:Robert Few / UNDP Afghanistan
50年前、世界人口の3人に1人は貧困の中で暮らしていました。国連開発計画(UNDP)は1966年、こうした背景の中で創設されました。
UNDPは創設以来、すべての人にとってより公正で豊かな世界の実現を目指し、先頭に立って活動してきました。私たちは各国政府や市民社会、民間セクター、慈善団体と連携し、人々のエンパワーメントとより強靭な国家建設を支援しています。
UNDPが50年の節目を迎える今、貧困の中で暮らす人々の割合は約8人に1人と減少しました。多くのパートナーと共に、貧困根絶に取り組んできたことを誇りに思います。
UNDPは実際、50年間にわたり、貧困や飢餓、病気の根絶、雇用と生計手段の創出、女性のエンパワーメント、災害とその他危機からの復興支援、環境保護など、数多くの取り組みの最前線で活動してきました。
活動のほとんどは、献身的なスタッフと、私たちが連携している世界各国の日常的な開発支援活動に従事する数千の組織があって、初めて可能になります。私はこれだけ多くの人の生活を改善し、機会や希望や尊厳を提供する組織を率いることを誇りに思います。
しかし、するべきことは多く残っています。世界から貧困や飢餓が消えたわけではなく、しかも数多くの生態系が深刻なストレスにさらされているからです。
良いニュースもあります。それは、世界がこうした課題に取り組むため、これまでになく多くの富や知識、技術を活用できるということです。
必要な資金を調達するためには、リーダーシップが必要です。お金がすべてではありませんが、政府開発援助(ODA)をはじめとする資金が役立つことは確実です。
持続可能な開発に向けては、幅広い連携が必要とされています。政府の取り組みだけで、新たなグローバル課題「2030アジェンダ」で掲げられた目標は達成できません。政府のリーダーシップは不可欠ですが、それだけでは不十分です。目標達成には、市民社会や民間セクター、慈善団体、研究者など、すべての人の力が必要です。
また、UNDPをはじめ、多国間システムがリーダーシップを発揮する必要性もかつてなく高まっています。私たちの任務は、各国の貧困根絶に向けた取り組みを支援することですが、そのために不平等や社会から疎外される人が増えたり、生命を維持する生態系が破壊されたりすることを許してはなりません。
新たにでき上がった「持続可能な開発目標(SDGs)」を私たちの指針としつつ、力を合わせれば、より包摂的な経済と社会に支えられた世界を構築するとともに、気候変動とその他の環境破壊から地球を守ることができます。創設50年を迎えたUNDPは、この任務を果たす決意を新たにしています。