「っていうか、あなたたちは!」と心の中で何度つぶやいたことだろう?
そう!日本人女性たちに私はひとこと言いたいのだ。
海外で医療をやっていても本当にたくさんの人達が私を訪ねてきたり、医療活動にボランティアに訪れてくる。
医師と看護師だけで、1年に600名を超える。それ以外に一般人や学生、その他の人たちを合わせるとどのくらいになるのだろう?そして、そのうちおそらく7割以上は女性である。10代~50代と、年齢層も幅広い。
現地では、私は様々なことを彼らと話すのだが、女性はどうも、恋話が大好きなようなので、私も何かにつけて、たとえコジツケでも、恋愛にたとえて話をすることにしている。
「その例え、いまいち分かりません。」と言われるが、女性は恋愛の話が好きなのだと私は思い込んでいるので、あまり気にせずに続けている。
ところで、たくさんの女性たちと話をしていて、最も多く飛び出す台詞の上位3つは、
1、いい出会いがない
2、いい男性が私の周りにいない
3、私は結婚できないかもしれない
という感じになる。
私に言わせれば全て間違っている。
いい男性など元々、日本にはそんなにいなかったと思う。
戦前の日本人女性は性格はともかく、はっきり言ってすごかった。
朝の早くから、夜遅くまで、あらゆる仕事をこなし、子育てもして、そして十代のうちから結婚して休むことなく生きていたのだ。
その女性と日本人男性が結婚して、まあ何とか上手くやっていたということは、いかに日本人男性がいい加減でもやっていけたのかという、今の私たちから見るとそれはうらやましい限りの時代だったのだ。
だから当然、戦前の日本人男性は甘やかされている。
だからきっと今の女性が戦前の日本人男性を見ても、きっと惹かれはしないと思う。
きっと「少しくらい家事しろよ!」と怒鳴るに決まっている。
私が思うに日本人女性にいい出会いがない最大の理由は、女性のメンタリティーにあるのではないかと疑っている。
それは、現在の日本人女性たちの結婚や恋愛に対するメンタリティーが時代にマッチしていないということだ。
戦前までは、日本人女性たちは職業も持てず収入もなかったために、男性に経済的に頼らざるを得なかった。だから、どうしようもない男であっても、どんなに不釣合いに劣っている男性であっても、何とか自分に言い聞かせて納得してやってきたのだ。
時に男があまりに酷いときは、その男ではなく、私はその家と結婚したのだと慰めながら、子どもに未来を託し、生きてこなければならなかったのだ。
ところが、現在の女性たちは、自分で収入を持つことができ自分ひとりくらい何とかやっていける、生きていける収入は既に獲得できる時代になっているのだ。
しかも、日本人は既に飢えの恐怖から開放されており、男にいまさら頼らなくても女性一人でも生きていける時代なのだ。
だから何が言いたいのかというと、そんな時代になっているのに、肝心の女性のほうが前代的なメンタリティーのまま現在も男性との関係性を位置付けているということだ。
だから、現在は既に女性が男性を選ぶ時代になっているにもかかわらず、まだ女性が男性に選んでもらうというメンタリティーから抜け出せていない。
男性からのアプローチを待っていたり、なかなかいい人が現れないと嘆いている。
「違うのだ!」と言いたい。
男性から選んでもらおうとするな!女性が選ぶのだ。
そう!あなたが選ぶ側なのだ。
女性こそアプローチをできる立場にあり、あなたが「なかなかいい人が現れない男性」の前に現れてやるのだ。
特に日本は女性の親権も強いのだから、たとえ離婚しても余程のことがない限り、子どもは女性の元に引き取られる。
いい国ではないか。
これから時代は人の労働形態は、ひとつの職場、ひとつの職業という過去の形ではなくなる。
おそらく結婚の形も多様化する。
バツイチ同士の結婚なんて当たり前すぎる時代になる。
同性同士の結婚。
未婚のシングルマザーとして子育て。
数度の離婚暦。
それを違和感があると感じている人は既に、時代から遅れ始めている。
これからは個人の時代。
社会に合わせる自分ではなく、自分らしく生きるを追求する時代なのだ。多様性の時代なのだ。
過去の決まりきった形にとらわれず、自由に柔軟に時代を生きていける。
そういう流れの中で、徐々に日本人女性たちは様々な状況から解放されていくだろう。
その向こうに、無理やりでない自然な女性の登用もある。
実はこの男性社会、すなわち旧型の仕組みを維持する最大の勢力は、私はマスコミだと思う。
だって、こんな時代に何で女性たちが、昔の思考回路を維持しているかというと、誰かが子どもの頃から織り込んでいるからだ。テレビも何もかも、そういう女の人のイメージばかりで埋め尽くされ、そんな女性がとても健気でかわいらしく、知らぬ間にあなたたちの理想のひな形されている。
バカバカしい!
世界の女性は男性の所有物ではない。男性の願望のひな形に押し込まれている時代を卒業するべきだ。
自分がどうありたいか、どんな女性でありたいかは自分で決めるべきだ。
女性に関する啓蒙は、3割の力でアクセルを踏み、7割の力でブレーキを踏んでいるようだ。
全ての日本人女性に言いたいのは、
結婚だって、恋愛だって、あなたたちが主人公で、あなたたちこそ選択できる立場なのだと、早く気付くこと。
そして、古い社会の仕組みに振り回されずに、どうぞ自分らしく生きてくださいということだ。
この時代、多様性の時代は、一生懸命生きていればどんな形の人生だって恥ずかしいものなんてない。
離婚したって、少々歳をとっても、後ろめたさなど持たずに、堂々と次の恋に向かって進んでもらいたい。
そういう時代だと分かっている私から見れば、女性がうらやましいよ。