起業のネタは身の回りの不便を解決することにあるという。
それは頭でわかっていても、自分の不便や家族の不便をなんの疑問もなく続けていることも多い。
たとえば、妻の父はかなりの高齢で認知症も進んでいる。うちの父は、それほどではないが、そろそろいろいろなことに助けがいる。
高齢者はさまざまな病気を抱えているので、飲むべき薬は多い。
認知症が軽い間でも、何種類もの薬を間違いなく飲むのはとても面倒だ。見守っていないと、半分もまともに飲めない感じである。
そこで、たいていみんな、小さなピルボックスを書い、そこに日付を書いて、それぞれの日に飲むべき薬を分けていれておく。
そうすれば、その日に飲むべき薬がわかりやすいからだ。
うちでもそうしていた。
間違えると大変なので、そして、そうやって薬を分けるのは神経を使う面倒な仕事なのだが、そのことに何の疑問も抱かなかった。
だが、今日みつけた記事に、それを解決した若いアメリカの起業家(彼は薬剤師の息子さんでもあるそうだ)のアイディアが紹介されており、シンプルな解決に大きな衝撃を受けた。
上気のリンクやリンク内の動画を見ていただくとわかるように、薬を分ける手間を請け負うサービスなのである。
薬は患者に渡すときに、薬毎になっているのではなく、日付毎にパックされている。パックには日付と入っている薬の明細がプリントされている。
たしかに、こうしてあれば、飲み間違いや、飲み忘れのリスクは低くなるし、家族や、介護施設のスタッフの負担も軽くなる。
ビジネスとして詳細を調べたわけではないので、実際のところはよくわからないのだが、身近な問題を、シンプルな方法で解決し、しかも社会へ与えるメリットが大きいという意味で、とても素晴らしいアイディアだと思う。
おそらく、僕らが80才を超えるころには、薬局がそれをやるのか、専門の会社がそれをやるのかは別として、貰う薬はそういう風になっているのは確実ではないだろうか。
感動した。
(2015年6月17日「ICHIROYAのブログ」より転載)