大阪のホームレス支援「Homedoor」の川口加奈さん

現在ホームレス支援組織Homedoorの理事長を務める川口加奈さんは、14歳の中学2年生のときに参加した炊き出しの現場で、大阪市内でひどいときには年間200人ものホームレスの方が路上で凍死や餓死をしている現実を知ったことからホームレス支援の活動を始めました。

豊かだと思っていた日本に、凍死や餓死という現実がありました。

見向きもされないホームレス問題に疑問を感じ、Homedoorは歩みはじめました。

Homedoorホームページより。

現在ホームレス支援組織Homedoorの理事長を務める川口加奈さんは、14歳の中学2年生のときに参加した炊き出しの現場で、大阪市内でひどいときには年間200人ものホームレスの方が路上で凍死や餓死をしている現実を知ったことからホームレス支援の活動を始めました。

「自分なりにできる精一杯のことをしたい」

自分ができることから始めましたが、結果的にその活動がただ単にホームレスの状態を一時的によくするだけのことに気付き、考えた結果、必要なのは、ホームレスそのものを生み出さない仕組みを作ることだという結論に至ります。

そしてホームレス研究が最も進んでいる大学に進学後、現場との関わりを通じて2つのアイディアに出会います。

•ホームレスの方と日常的に接する中で、空き缶拾い等を生業としていることから、自転車修理が得意なことを、ヒアリングを通じて発見。

•当時問題になっていた大阪の放置自転車問題を解決するためにシェアサイクル(街なかに複数の自転車の貸出拠点があり、拠点であればどこでも乗り捨てることが可能)というアイディアがあることを発見。

この2つのアイディアを掛け合わせれば、働くことを通じて、ホームレスの方々が支援される立場から、自転車問題を解決へと導く担い手になってもらえるのではないかと考えました。

そしてホームレス問題・自転車問題を解決するプロジェクトとして、HUBchariが2012年4月にスタートしました。

当初はシェアサイクル自体を置いてもらえる場所を見つけることも難しかった状況にも関わらず、地道に営業活動を続け、現在では大阪市内に11の拠点があります。

2013年8月1日時点で、これまで52名のホームレスの方が働き、半年間の就労支援プログラムを経て卒業していった方の内、半数が次の仕事を見つけることができています。

この活動以外にも定期的に生活保護受給者が日本で一番多い釜ヶ崎の街歩きや炊き出しを体験できるイベントも偶数月の第4日曜日に実施しています。

又、年間1億3千万本も使い捨てされるビニール傘の再利用プロジェクトHUBgasaもホームレスの方々と一緒に取り組んでいます。

日常で感じた些細な問題意識から地域が抱える問題に真正面から取り組んでいる川口さん。今後の未来を担っていく素晴らしい活動だと思い、紹介させてもらいました。

社会のために活動されている方の取り組みや未来を考える上で参考になるコンテンツはこちらのブログでも紹介しています。

注目記事