(LIFE/2017年)
まさに正統派SFで、当然、舞台は宇宙である。最初のSF映画1902年のフランス映画『月世界旅行』も舞台は宇宙であった。エイリアン系の密室パニック映画で、今回は火星の生物である。
6人が乗る国際宇宙ステーション(ISS: International Space Station)がメイン。採取した火星の土壌から生物が見つかる。この未知の生物カルバン(Calvin)は、とても賢くしぶとく、宇宙飛行士を一人、また一人と殺していく。宇宙飛行士たちは恐怖の中、カルバンと戦うが効果なく、その過程で宇宙ステーションも破壊されていく。宇宙飛行士たちは、カルバンと対決しながら地球へ向かっていくが・・。
ちなみに、このカルバンという名前、筆者は世界史を取っていたが、フランス生まれのスイスの宗教改革者と同じ名前だと思いだしたのは筆者だけであろうか。
また密室パニック映画では登場人物が少ないので、役者の良し悪しが作品の質を左右する。今回は、ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、そしてわれらが日本を代表する役者の一人:真田広之も出演している。特に今回真田広之(ショウ・ムラカミ役)が結構いい役なので嬉しかった。
良く、未知なるもの、経験したことがないものに遭遇すると、人は「大したことはない」と考える傾向がある。これは金融市場でも同様で、これを「正常性バイアス」という。バブルの崩壊するときも、当初はそう考えるもので、そのあとパニックになる。とくに素人といわれる個人投資家はそうなってしまう。最近、通貨でも金融商品でもない(誤解も多い)が、ビットコインでも約4割の暴落があった。
最近、量的金融緩和やトランプノミクスもあり、米国の株価も最高値を更新中である。中央銀行FRBはバブルではないかと懸念し、正常化(引締め)のため金利を引き上げている。今年は2017年であるが、経済・金融危機は10年毎に発生する。1987年ブラックマンデー、1997年アジア通貨危機、2007年サブプライム危機からリーマンショックへ発展していった。10年という時間は「熱さ」を忘れるには十分な時間である。そういう意味からも、金融市場も気を付けなければならない。
しかし、エイリアン的な正統派のSF映画であり、そういった意味で見ごたえはお約束する。
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筆者が2003年から様々な媒体で書き、テレビでも解説してきた「シネマ経済学」ですが、平成28日12月18日付で特許庁(小宮義則長官)により、商標登録して頂き、商標登録証も届きました。以前、共著者が共著を英訳し単著として勝手に出版した事件(現在も係争中)が発生し、皆様からのアドバイスも多数頂戴し、以降、著作権や商標権に真剣に対応するようになりました。今後「シネマ経済学」に興味がある方は、筆者までまずご連絡ください。今後「シネマ経済学」(単語)にも®(Registered Trademark)を付けます。
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尚、2017年4月より文化放送「The News Masters TOKYO」に、火曜日朝7時からレギュラー出演中。