(THE ANGRY BIRDS MOVIE /2016年)
そもそも『アングリーバード』は、フィンランドのRovio Entertainment(旧:Rovio Mobile)がに開発したモバイルゲームであり、その映画化作品である。2009年に販売されてから、シリーズ合計で30億のダウンロードと、モバイルゲーム史上最多記録を誇っている。
今回の作品も3Dなのでその魅力も十分に描かれている。以前とは逆であるが、最近では、このようにゲームから映画になるというパターンも増えてきた。ゲームが経済のクリエイティブなコアになってきていることであろう。
本作に登場するのは、鳥たちと豚たちで、基本的なストーリーは豚たちが鳥たちから卵子を奪い、それを取戻しに行くというものである。
今回もそうで、パラダイスのような島で奪われた卵を取り返そうと奮闘する個性的な鳥たちによる物語が展開する。ひと癖もふた癖もあるキャラクターたちも面白い。
たくさんの鳥たちが平和に生活しているバードアイランドで、個性的な太いまゆを持つレッドはなぜかいつも怒ってばかり。ある日、島を緑のピッグ(豚)たちの集団が訪れ、心優しい鳥たちは彼らを丁寧にもてなす。
だが、レッドは珍客たちの悪だくみに気付き、お調子者のチャックと、体は大きいがビビリのボムと共に真相を探ろうとするが、大切な彼らの卵は盗まれてしまう......。アニメといえども、アメリカ映画でもあり、ハラハラドキドキであるが、ハッピーエンドとなり安心である。
主人公レッドはアングリーバードといわれているように、短気でいつも、さまざまなことに怒っている。
(実際に見てみると、レッドが怒るのも分からないことは無いという気もする)日本語吹替えは、坂上忍である。
彼が怒っているのは、予想外の不愉快なことであり、それは、我々の周りでもよく起こるものである。
たとえば、経済でも株価は落ちることもある。企業でも仕事がうまくいかないこともある。個人的にも意地悪されることもある。
つまり、予想外の不愉快なことがよく発生するということである。つまり、経済も、企業も、人生も同じである。そう思っておけば、気も楽である。逆に言えば、先の分かった人生もまたつまらない。不確実だからこそ面白いとも言える。そして、その不愉快な事件・事象を前向きなエネルギーに変換して行動することが大事だと思う。
たとえば、女性から振られた場合、その女性をストーカーするのではなく、努力して一廉の人になり、見返してやろう、というようなものであろうか。(実際そのように学生には指導している)
また、筆者が中学生の頃に読んだ哲学書には、人生の楽しいこと(幸せなこと)・楽しくないこと(不幸せなこと)の比率は、決まっていると書いてあった。その比率は1対3だそうである。筆者自身は、なんとなくそんな比率のような気もする。一般的には半々と考えている人が多いそうであるが。
中学生だった筆者はその時、気が軽くなった気がした。そんなもんだと思っておけば、毎日嫌なことが多いなあ、と思わなくなった。もちろん、努力や考え方によって、その比率は変わってくると信じて、日々努力を心掛けているが。
ちなみに、昔から、日本における洋画の題名において、英語の単数形・複数形の問題は曖昧である。
古くは『GIANT』(1956年)が日本では『ジャイアンツ』、本作品は『ANGRY BIRDS』であるが、『アングリーバード』である。こういうのは一般的な日本人の英語力の問題なのであろうか。
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