de novoタンパク質設計は、目的に合った折りたたみと機能を持つ小型タンパク質を作製するための強力な方法である。
今回D Bakerたちは、計算手法と実験を組み合わせて、インフルエンザウイルスの表面タンパク質であるヘマグルチニンと、ボツリヌス中毒の原因となるボツリヌス神経毒素Bを標的として結合する折りたたまれた小型タンパク質(アミノ酸残基40個程度からなる)を設計し、スクリーニングを行ったことを報告している。
このハイスループットな方法によって作製されたタンパク質は標的に結合し、従来の抗体薬に比べるとより安定性が高く、ずっと小型であり、容易に修飾することができて、しかも免疫応答をほとんど誘発しない。最適な構造のヘマグルチニン結合体はin vivoでインフルエンザ感染に対して防御作用を示し、この方法が抗ウイルス治療などのさまざまな治療応用に使える可能性がはっきりした。
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Nature550, 7674
doi:10.1038/nature23912
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Nature540, 7632 2016年12月08日