独特で固有の生物多様性を持つキナバル山は、ユネスコの世界遺産に登録されている。
Credit: John Kong / Sabah Parks
マレーシア・ボルネオ島のキナバル山は、ヒマラヤ山脈とニューギニアの間にある山として最高峰であり、他の熱帯山地と同様に生物多様性ホットスポットとなっていて、標高によって隔離された固有種が多数存在する。今回、そうした生物多様性の進化的起源を調べるために、キナバル山のカエル類、昆虫、クモ類、腹足類、ヒル類、蘚類、顕花植物、シダ類、真菌類を含む生物相全体の標本採取が行われた。DNAバーコーディング法により、キナバル山に生息する種の大半はこの山の600万年という年齢よりも新しく、生態的地位を高地に移した低地種の近縁種であるか、または他の高地に由来する長距離移入種であることが明らかになった。山地の生物多様性の起源を解明することは、環境変化に対するその応答の解明に役立つだろう。
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Nature524, 7565
2015年8月20日
原著論文:
doi: 10.1038/nature14949
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