インドネシア・ラジャアンパット海洋保護区、ミソール島の南に浮かぶフィアバチェット島のダイビングスポット「ホエールロック」。この海域は多様性が非常に豊かなことで知られる。
Credit: Burt Jones and Maurine Shimlock
海洋資源の保全を期待して、海洋保護区の設定が急増している。D Gillたちは今回、こうした海洋保護区の効果が、人員の不足によって全球的に削がれていることを示している。
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彼らは、世界各地の海洋保護区に関する魚類バイオマスデータおよび管理データを分析し、対象となった海洋保護区の71%で魚類個体群に有益な効果が見られるものの、こうした効果には大きなばらつきがあることを明らかにしている。
こうしたばらつきを説明する変数としては人員の数が最も重要であることが分かり、その影響は海洋保護の効果における変動の約19%を占めていた。
著者たちは、人員および財源への十分な投資を欠いたまま海洋保護区を全球的に拡大し続けるのでは、海洋保全の十分な効果は得られないという考えを示している。
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Nature 543, 7647
2017年3月30日
原著論文:
doi:10.1038/nature21708
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