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長男の死因は低体温症で、母親は急性薬物中毒。母親の遺体を前に、食べ物もなくガスも水道も止まった部屋で、長男はどんなことを考えていたのだろうか。誰かに助けを求める気力さえ、失っていたのだろうか。
扶養照会が生活保護の申請への大きな壁になっていることは間違いない。いわば、扶養照会は生活保護申請をさせないための「水際作戦」の機能を果たしてしまっていると言えるのだ。
扶養照会とは、親族に連絡がいくことだ。これがどうしても嫌、ということで生活保護を利用せずにいる人を、少なくない数、知っている。
年末年始、多くの人が支援につながった。が、まだまだ支援団体すら知らない人が大半だ。その上、民間の「共助」はとっくに限界を迎えている。
「トランプを尊敬している」「生き方すべてがカッコいい」。法廷でトランプ礼賛を続けた植松死刑囚。
公務員、障害者、そして日本学術会議──。この十数年、怒りは政治には向かわず、「こいつらが既得権益だ!」と指名された敵に向けられてきた。
「批判が許されない空気」は、菅政権で強化されることはあってもなくなることは決してないだろう。
あるチワワをきっかけに、立ち上げられた「反貧困犬猫部」。困窮した飼い主のもとにいるペットたちにフードを送るといった、支援活動をしている。
「あなたには生きる意味などあるんですか」と問われるのは常に弱者の方である。そう問われた時、どれほどの痛みを感じるか、なぜ想像もせずに他人の生を、よりにもよって「評価」しようとするのか。
生活保護の窓口は、他に生きる手段がない人たちが来る最後の砦。なのになぜ、当事者を傷つける言動を平気でしてしまう人が配置されているのか。命にかかわる仕事だからこそ、その席にはプロ中のプロしか座ってほしくないのだ。