「良いベンゼン・悪いベンゼンがあるわけじゃないですよね?」「あるよ!」「ないですよ!」>大激論、築地・豊洲市場移転問題始末

少なくともモニタリング調査の結果がでる年明けまでは続く長期戦。お互いの立場を尊重しながら、主張すべきは主張し、今後も建設的な議論を交わしていきたいと思います。

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

早朝から兵庫県明石市へと視察に出向き、夜は都議会会派「かがやけTokyo」初の都政報告会と盛りだくさんな1日でしたが、まずは後者から。

約100名の方にお集まりいただき、会場はほぼ満席の大盛況。

ゲストには図らずも(?!)移転推進派の論客としてメディアを賑わすことになってしまった築地仲卸三代目・生田よしかつさんと、

こちらは逆に移転反対派として「橋下×羽鳥の番組」などに出演して活躍中の東京中央卸市場労働組合執行委員長・中澤誠さんをお招きし、

現場で働く双方の立場の方を交えた、テレビでは絶対にできない生々しいトークバトルが行われました。

私は自称「慎重移転派」ですが(安全性が確認され次第、速やかに移転をするべき)、明言している通り中澤誠さんとはほぼすべての意見が真反対。

そんな2人のやり取りの個人的なハイライト一覧。

※やり取りはあくまで要約です

【終わらない安全調査】

中「土壌汚染調査は300箇所以上が未実施で、まったく安全確認が取れていない」

音「法令が途中で変わったのは確かだけど、科学的に遜色ないやり方で安全確認されていて、公的にも認められており問題ない。追加調査をやったとしても、危険な数値は出てこないと思う。では中澤さん、仮にそちらの要望通りの徹底的な調査をやったら、安全性を認めて下さるんですか?」

中「いえ、認めません(キリッ)」

音「...そんなんだから、共◯党は原理的な反対だって嫌われるんですよっ!!」

【良いベンゼン・悪いベンゼン】

生「大気汚染の話をするなら、開放スペースでトラックがバンバン出入りし、排気ガスを吸うことになる築地の方がよっぽど健康に悪い」

中「それは出処の問題。トラックから出てくる排気ガスを吸うのは仕方ないが、東京ガス由来のベンゼンを吸うことになるのは許せない」

音「いやちょっと待ってください。ベンゼンはベンゼンですよ。良いベンゼンと悪いベンゼンがあるわけじゃないですよね?」

「あるよ!」

「ないですよ!」

【民主的な決め方なら納得!】

中「1990年代に築地移転反対が決まったときは、関係者の全員投票で決まった。ところが2014年に移転賛成が決定されたときは、関係団体の総代会(代表者の集まり)で議決された。こんな決め方では移転することはできない」

音「じゃあ仮に、科学的な安全確認が取れて関係者全員投票で移転が賛成されたら、そのときは移転に納得して下さるんですか?」

「それはします」

「そこはするんだ?!」

などなど、本当にあっという間の質疑応答を含めた約90分でした。ズバズバと答える中澤さんの姿に、釘付けになった聴衆の方も多いのでは?!

生田さんからも負けじと

「私も実は以前は移転反対派だった。それでも食の安全・国際基準に即した商売をするためには、新しい市場が必要だと私たち自身が自覚しなければならない」

「どんなことがあろうと、豊洲地区の風評被害だけは防がなければならないと全員が思っている」

という真摯な意見などもあり、中澤さんの立場を応援しにきた参加者からはこんな声も。

賛成・反対両者の立場が(来場者も含めて)同じ場所に集まって、忌憚のない議論を交わす。しかも激論になりつつ、けっこう和やかに(これ本当!)。

こうした場を作り出すことができるのは、自民党や共産党などの大組織には不可能な、しがらみのない立場の我々だからこそできたことだったのではないでしょうか。と、ちょっとだけ自画自賛してみる。

最後まで和気あいあいと記念撮影。どんな結論が出ようとも、決まった後は中央卸市場を都民のために共に活用していく仲間です。

少なくともモニタリング調査の結果がでる年明けまでは続く長期戦。お互いの立場を尊重しながら、主張すべきは主張し、今後も建設的な議論を交わしていきたいと思います。

ゲストの生田さん、中澤さん、そしてご来場者の皆さま、本当にありがとうございました!今回参加できなかった方は、次回(いつだろう?)の報告会にぜひとも。

それでは、また明日。

(2016年10月21日「おときた駿公式サイト」より転載)

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