こもたろは今より幼い頃、抱きしめられるのがダメでした。感覚過敏だったのでしょう。抱っこするだけでも痛がったりして離れ、すぐに逃げてしまう子でした。そのくせ、転んでケガをしても痛みをあまり感じていないようで、血が出ているところをほじくりかえしたりして。
この辺りの痛覚というものがうまく処理できていなかったのかな。話が逸れてしまいましたが、こもたろは触られることに敏感でした。この頃はまだ2~3歳の可愛い盛りです。やはり母親としては、抱きしめたい衝動にかられます。
私もなるべくこもたろの負担にならないよう気を使い、日中は抱きしめたい衝動が襲ってきてもグッと堪え、日々過ごしていました。
でもね、我慢できなくてこっそりやっちゃったんです。熟睡している我が子をこっそり...抱きしめました。その時の幸福感といったら、安心感といったら。こもたろは、あったかくて柔らかくて、なんだかいい匂いがしました。赤ちゃんの匂い。髪の毛がふわふわで、思わず顔をうずめました。まんまるのそのちっこい頭から寝息が聞こえました。涙がこぼれるほどいじらしくて、可愛くて。
ああ、私はずっとこうしたかった。ずっとこうしていたいなって。
しかし、ほどほどにしておかないといけないという気持ちもあります...。目が覚めて苦しまないうちに(というのも変ですが)、手を離さなければいけません。
でも、今感じた幸せであと1週間乗りきれる。とても大変な子でしたが、こういう小さな幸せをひとつずつ見つけるようにして、次への原動力に繋げていたように思います。毎日を過ごすのにただただ必死でしたが(笑)
7歳の今、こもたろは抱きしめられることがへっちゃらになりました。むしろ、甘えて「ぎゅーして」と言ってくれるくらい。これは母としてとても嬉しい成長です。
当時の幸せな記憶というのは、私の中にまだ強く残っていて、未だに熟睡しているこもたろを見るとついついギューっとしちゃうんですよね。たまに手を払われちゃいますけれど(笑)。ああ幸せ。
~続く。
★5/26、コミックエッセイ「自閉症くんは1年生」発売決定!!
3刷出来!!
コミックエッセイ「生まれたのは自閉症くん。」大量描き下ろしにコラムも収録で絶賛発売中!!
【moroブログ 「moroの家族と、ハンドメイドと。」】
マンガ版もあります! 新章突入!!「生まれたのは自閉症くん。小学校編」 最新話はすくすくパラダイスぷらすへGO