2016年3月11日ー東日本大震災の発災から6年目がスタートしました。
私どもキッズドアは、2011年4月末から東日本大震災で被災した子どもたちの支援を微力ながら今も続けています。2011年はどこも大混乱の中、当時の事務局長が東北に入り、岩手県、宮城県、福島県でお手伝いをしておりましたが、現在は宮城県に腰を据え、仙台市、また南三陸町で活動を行なっています。
宮城県本吉郡南三陸町に丸5年通い続けながら、6年目の被災地の状況をどう皆様にお知らせすればいいのか、をいつも考えております。
今年も何名か、東京のスタッフやボランティアさんなど初めて南三陸町を訪れる人を同行して南三陸町を訪れましたが、彼ら彼女らから出てくる言葉は
「まだ,何も復興していないのですね」
という驚きの言葉です。
メディアから流れる復興のイメージと現実とのギャップは大きく、6年という節目を迎え「震災支援はもう終った」と捉えられがちな風潮に、私たち自身戸惑いを隠せません。
南三陸町をはじめ被災地のみなさんは、決して声高に「もっと支援を!」と訴えることはありません。しかし、だからこそ、私たちはこれから何が出来るかを考えなければいけないのではないでしょうか?
ついこの間、2016年2月23日に、キッズドアに1件のメールが届きました。
==========================
今仮設に住んでいる高校1年生です。
勉強部屋がなくて困っています。
相談に乗ってもらえませんか?
==========================
少しずつ事情を聞いてみると、南三陸町の仮設住宅に住んでいて、高校の進路選択で大学進学を目指すことに決めたが、実は勉強はそれほど得意ではない。本当に大学に行けるのか不安だし、今は学年末試験の直前なのだが、仮設住宅では全く勉強が出来ない。
仮設の中に談話室があるので、そこが空いていれば借りて勉強することは出来る。おとといは談話室が借りられて、その前の日は、家族がみんな外出したので家で勉強できたが、昨日は家族がいたから勉強できなかった・・・
「何か方法を考えるから、ちょっとお時間ちょうだいね。大学進学とってもいいと思うよ。応援するよ。」
とまずは答えました。そして、何が出来るかをみんなで考えています。
今からこそ、みんなで「何か方法を考える」時なのです。5年は終わりではなく、本当の復興へのスタートラインです。
大きな可能性を持ち、不安を抱えながらも一歩を踏み出した被災地の子どもたちの応援団として、キッズドアはこれからも必要とされる限り関わり続けたいと思っています。
※写真は南三陸町志津川中学校の生徒さんが撮影した写真です。
今もスクールバス通学を続ける生徒さんが9割で、仮設住んでいる生徒も4割にいます。登校坂を上ってくるバスの後ろには、かってたくさんの家やお店があった場所にいまだ土盛りをしているような工事風景が見られます。
※3月14日のイベント KidsDay Japan では、キッズドア以外にも,今も東北で子ども支援を続けている7団体が集まって、現状を伝え、皆様と一緒に今後を考えるイベントを行ないます。
無料ですので、ぜひご参加ください。
※南三陸町の子どもたちを応援したいと思われた方は、ぜひキッズドアにご寄附ください。
公益財団法人東日本大震災復興支援財団は、子どもの支援のための財団です。
特に「まなべる奨学金」は、幸い両親ともに無事だったが震災で経済的に厳しくなった中高生の通学を支えるための奨学金であり、遺児孤児への奨学金が多い中、非常に重要な奨学金です。
ぜひ、こちらへのご支援も。
日本国中が6年目からの震災復興に取組む、記念すべき日に寄せて