柿谷曜一朗ってどんな人? 天才少年から問題児に、そして日本のエースへ

「天才」柿谷曜一朗。ワールドカップへの道のり。
Japan's midfielder Yoichiro Kakitani is pictured ahead of a friendly football match between Serbia and Japan in Novi Sad on October 11, 2013. AFP PHOTO / ANDREJ ISAKOVIC (Photo credit should read ANDREJ ISAKOVIC/AFP/Getty Images)
Japan's midfielder Yoichiro Kakitani is pictured ahead of a friendly football match between Serbia and Japan in Novi Sad on October 11, 2013. AFP PHOTO / ANDREJ ISAKOVIC (Photo credit should read ANDREJ ISAKOVIC/AFP/Getty Images)
ANDREJ ISAKOVIC via Getty Images

6月15日、サッカー・ワールドカップ日本代表の初戦、コートジボワール戦が行われる。

日本代表のフォワードとして得点が期待されるのが、セレッソ大阪に所属する柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)選手だ。卓越したボールタッチ、見ている者をハッとさせる意外性。多くのメディアや選手が、彼を「天才」と呼ぶ。

セレッソの下部組織で育ち、16歳でプロ契約。年代別の日本代表でも活躍し、早熟な天才は将来を期待された。しかし柿谷は練習への遅刻を繰り返し、ついにはレヴィー・クルピ監督(当時)の逆鱗に触れ、J2の徳島ヴォルティスへ追い出されるようにしてレンタル移籍する。

C大阪FW柿谷曜一朗(19)が度重なる練習遅刻で、クラブから罰金などのペナルティーを科されたことが10日、分かった。8日の練習に30分ほど遅れたが、これが今季6度目。レビークルピ監督は「プロとしての自覚と責任感が足りない。具体的な金額を言うつもりはないが、相当高額な罰金を科した。彼の行為はすべてのサポーターやクラブに対しての裏切りだ」と怒りを爆発させた。

(日刊スポーツ「C大阪柿谷6度目遅刻に罰金「裏切りだ」」より 2009/06/11)

格下のチームへの懲罰的な移籍。しかし、この移籍が、柿谷を蘇らせる。監督と周りの選手が粘り強く柿谷と対話し、意識を変えていく。

「セレッソにいた頃は別に大した結果を残したわけでもないのに、『オレは大丈夫や』という気持ちがどこかにあった。そういう意識が間違いだったと分かった。徳島に来て、試合に出る楽しさを再認識したことで、そう思えたんです。オレはやっぱりサッカーしてる自分が一番やなと。試合のためにコンディションを整え、生活することの楽しさを今は実感しながらやってます」。

(J SPORTS「【Jリーグ】U-17日本代表のエースだった男・柿谷曜一朗の今」より)

徳島に移籍して2年目は、キャプテンも経験。年に6度遅刻し、チームを追い出されたときの姿はそこになかった。そして、2012年、柿谷はセレッソへと戻る。移籍発表時のコメントで、率直な気持ちを述べている。

「セレッソに復帰することになりました。クラブやサポーターの期待を裏切ってしまった3年前の行動や言動を振り返ると、本当に申し訳ないことをしたと自分の中でずっと反省していました。徳島では、プロの選手としてサッカーをすること、チームで試合に勝つ喜びを改めて感じることができました。セレッソで育ててもらえた自分が、セレッソの力になれるのであればと思い、2012シーズンから復帰することに決めました。徳島で本当の意味でプロのサッカー選手としての歩みをスタートでき、3年前のことを忘れてもらうことは難しいと思いますが、早く皆さんに認めてもらえるよう、これからは大阪のピッチでセレッソのために全力で闘っていきたいと思います」

(セレッソ大阪「柿谷曜一朗選手 徳島ヴォルティスより復帰のお知らせ」より 2012/01/06)

セレッソの監督は、かつて柿谷を叱責したクルピ監督。セレッソに復帰後、ゴールを決めた柿谷について、監督は、「かわいい息子だ」と表現した。

「特別な思いがある。ゴールの瞬間、思いがよぎった。彼がプロ2年目のときに私が監督に就任した。かわいい息子だ。それがゆえに、過ちを犯したときには正しい道に導いた。今日は一皮むけて成長したプレーをみせてくれた。技術だけでなく、戦術面も理解してピッチで表現してくれた。再び彼と同じチームで働くチャンスがきてうれしく思う」

(J's GOAL「【J1:第24節 新潟 vs C大阪】レヴィークルピ監督(C大阪)記者会見コメント」より 2012/09/01)

移籍当初は出番が少なかったが、ポジションを争っていた香川真司、清武弘嗣、乾貴士らがヨーロッパに移籍。主力となった2013年のシーズンではゴールを量産。ベストイレブン、最優秀ゴール賞、フェアプレー個人賞を獲得。日本代表にも選ばれ、最高の一年を送る。

そして2014年。かつて在籍した徳島は、J1に昇格。3月8日の徳島ヴォルティス対セレッソ大阪戦で、柿谷は2年半を過ごした徳島のグランドに、セレッソの一員として戻ってきた。同じ日、徳島新聞に、柿谷は全面広告を自費で出した。

ありがとう、徳島。

今日、J1の舞台で、もう一度徳島のみなさんと出会い、闘えることを楽しみにしています。

徳島のみなさんが応援してくれていたから、僕はサッカーを続けていられたし、サッカーを楽しいと思えました。

チームを離れても、みなさんから頂いたエールはいつも僕の中に残りつづけています。

みなさんへの感謝はプレーで返します。

徳島のみなさん、今年一緒に日本のサッカーを熱くしましょう。

そして、これからもよろしくお願いします。

雌伏の時を過ごした天才が、ついにワールドカップの舞台に立つ。

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