パナソニック、シニア向け白物家電に注力へ

[東京 26日 ロイター] - パナソニック
Reuters

パナソニックが今期は成長戦略仕込む、株主総会で津賀社長

[東京 26日 ロイター] - パナソニック

法人向け(BtoB)事業へのシフトや、アジア・中国・中東・アフリカの「海外戦略地域」を強化する方針を示した。

2013年度は3期ぶりに最終黒字を計上。2年連続の巨額赤字から黒字へ転換し、復配を実現した。

パナソニックは2013年4月から、開発・営業・製造を一元管理する事業部制を復活。事業部制は、創業者の松下幸之助氏が1933年に導入し、中村邦夫相談役が社長時代の2001年に廃止したが、津賀社長が12年ぶりに再開させた。 津賀社長は、その成果について「多くの事業部で活力が出てきた」と指摘。今期は「構造改革を完遂する」とともに、来期に各事業部が5%の営業利益率を実現できるように体制を整える。

さらに、今期は、2018年度売上高10兆円に向け、家電、住宅、車載、BtoB、デバイスの5つの分野で「成長戦略を仕込む年」とした。海外展開の加速について津賀社長は、欧米・中南米を強化するだけでなく「アジア・中国・中東・アフリカを海外戦略地域とし、『脱日本依存』で市場の成長を取り込んでいく」と述べた。

<シニア向け家電投入へ>

総会では、1人の株主から、公募増資に関する考えを問われたが、津賀社長は「なすべきことは1株あたりの価値を上げること」と慎重な姿勢を示した。財務担当の河井英明専務も「増資が必要な場合は、成長戦略の説明を十分に行って、株主が納得する場合に行う」と語った。

また、津賀社長は、テレビが苦戦する家電事業の戦略について、今年秋口から高齢者(シニア)向けの白物家電を投入する方針を示した。高見和徳専務は「シニア向けプレミアムブランドは2年前から白物家電を中心に開発してきた。今年10月から冷蔵庫を発売し、来年春に向けて、多くのシニアに使ってもらえる商品を展開する」と述べた。

ある株主からは、巨額赤字を繰り返さないため17人の取締役の半数を社外取締役にするべきとの意見が出た。ただ、津賀社長は「今は皆の周知を集めた意思決定をしているし、過去も社長1人の暴走があったわけではない」と述べて否定的な考えを示した。

同日、17人の取締役(社外取締役3人)の選任を決議。午前10時から大阪市内で開催された総会は、2時間7分(昨年は2時間1分)で終了した。

*写真を変えて再送します。

(村井令二)

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