パリ18区に10月開設予定の男性用難民・移民向けキャンプのイラスト。
フランス・パリのアンヌ・イダルゴ市長は9月6日、年内に2つの難民・移民向けキャンプを新たに設置すると発表した。ひとつは独身男性用でパリの18区に作られ、もうひとつは独身女性・家族用で市外に作られる。
こうした規模のキャンプがパリ市街地に設立されるのは初めてだと、イダルゴ市長は述べた。
パリのイダルゴ市長
男性用キャンプでは、食事、衣服、住居が数日間提供され、その後利用者は長期滞在用のキャンプへ移動する。ベッド数は400だが、後に200ベッドが追加される予定だ。フランスの移民労働者が慈善団体「Emmaüs Solidarité」の支援を受けて運営する。
この男性用キャンプにならい、350人を収容できる2つ目のキャンプが2016年末までにオープンする予定だ。
パリでは2015年以来、すでに1万5000人の移民を受け入れているが、鉄道の高架下などの公共エリアに建てられた、一時的に難民を収容するキャンプでは問題が数多く起きている。
「そうしたキャンプは不衛生で危険です。移民たちは劣悪な環境で生活しています」と、イダルゴ市長は語った。「今回のキャンプも、近隣の住人を不安にさせています」
パリ南郊に設立予定の難民・移民向けキャンプ。2016年8月30日現在建設中。
市長の発表は、9月5日夜にエソンヌにある無人の難民受け入れセンターで放火があった後のことだ。
難民や移民を受け入れ、施設を提供することは「法の下にある国にとって無条件の義務」だと、エマヌエル・コス住宅建設相は9月6日に声明で述べた。「誰一人として不衛生的なキャンプに入るべきではない」
政府の集計によると、フランスでは現在、避難所を求めている人が7000人いるという。難民を受け入れるために200を超える施設がすでに設置されているが、追いつかないのが現状だ。
カレーやグランド・シントといったイギリス海峡の入口に近い都市では、イギリスに渡ろうとする多くの難民で溢れている。政府の支援がなければ、ボランティアや支援組織は、自分たちの力だけで泥とネズミにまみれて生活している難民たちに食料と避難所を提供せざるをえなくなっている。
ベルナール・カズヌーヴ内務相は、カレーにある「ジャングルのような」キャンプを閉鎖することを求めている。それは新しいキャンプのオープン以上に重大な問題となっている。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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