韓国の憲政史上初めて、弾劾で失職した朴槿恵・前大統領が3月12日夜、民間人の身分で青瓦台(大統領府)の公邸から退去し、約4年ぶりにソウル市南部の私邸に戻った。
ハフィントンポスト韓国版によると、朴氏は12日午後7時を少し過ぎた頃、青瓦台を出た。
独立門の前を通る朴氏の固い表情
朴氏を乗せた車と警護車は、午後7時35分頃、ソウル氏江南区の自宅前に到着した。朴氏は、現場で待っていた支持者の歓声に笑顔で答え、挨拶をしたり、一緒に写真を撮ったりして、青瓦台を出てきたときに比べてさらに余裕のある姿を見せた。
朴氏が自宅の中に入った後も、支持者たちは立ち去らずにスローガンを叫んだ。
朴氏に近い国会議員の一人は、マネートゥデイの取材に「家の中で見たら、涙で化粧が浮いて、顔が黒くなるほど泣いたという話を聞いて、いい気持ちはしなかった」と伝えた。急な引っ越しで自宅はふとんカバーも開封されておらず、久々に使ったボイラーから煙の臭いが立ちこめたという。
朴氏は、前大統領府報道官のミン・ギョンウク自由韓国党国会議員を介して、弾劾以来初めてコメントを出した。「このすべての結果は、私が抱えていく」として「真実は必ず明らかになると考えている」という内容だ。全文は以下の通り。
「私が与えられた大統領としての使命を最後まで全うできず、申し訳なく思います。私を信じて応援してくださった国民の皆さんに感謝いたします。このすべての結果について、私が抱えてまいります。時間がかかるでしょうが、真実は必ず明らかになると考えています」
これは事実上、憲法裁判所の決定受け入れを拒否する宣言と受け止められている。与党・自由韓国党(旧セヌリ党)のシム・ジェチョル国会副議長は「『承服する』という代わりに、むしろ不服を示唆した」と批判した。
ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳・加筆しました。
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