東京都の豊洲市場移転をめぐる問題について、キーマンの1人である浜渦武生(はまうず・たけお)元都副知事が4月10日午後2時から都庁で記者会見を開く。都議会の調査特別委員会(百条委員会)での証言について、複数の都議が「偽証の可能性がある」などと指摘。浜渦氏が、これに反論するものとみられる。
※会見の動画は冒頭で、音声の乱れがあります。ご了承ください。
偽証の疑いがあるとされるのは、豊洲市場用地の所有者だった東京ガスとの用地取得交渉について述べた3月19日の証人喚問での証言。
東京ガスとの交渉役だった浜渦氏は、都が東京ガスと2001年7月に締結した基本合意以降、「豊洲開発について一切相談にあずかっていない」と証言。基本合意後に結ばれ、東京ガスの土壌汚染対策範囲を限定的にしたとされる「2者間合意」についても「全く知らない」と否定した。
ところが、4日に開かれた百条委員会の証人喚問で、元知事本局長の前川燿男(まえかわ・あきお)練馬区長が「実体上の決定権者は浜渦氏。終始一貫して責任を持っていた」と証言。都幹部が東京ガス側との交渉を浜渦氏に報告した資料も示されるなど、浜渦氏との証言にズレが見られた。そのため同委員会では、「(浜渦氏の証言は)偽証の可能性が高い」との指摘が出た。
6日、百条委員会は非公式の会合を開き、浜渦氏の証言に偽証がないかどうかを検証することを決めた。偽証と認定した場合は、刑事告発の必要性についても検討する。
豊洲市場の移転をめぐっては5日間で計20時間以上、24人に対して証人喚問がなされた。毎日新聞は、豊洲市場の用地取得の経緯について真相が解明されなかった。各会派には焦点を浜渦氏の偽証に移すことで、有権者の批判から逃れたいとの思惑がある」と分析している。
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