2018年、世界ができることはまだまだある

本年もなにとぞよろしくお願いいたします。
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あけましておめでとうございます。

2017年は「北」が「今年の漢字」に選ばれるほど北朝鮮情勢が深刻化しましたが、2018年も引き続き最大の懸案事項の一つであり続けることは間違いありません。書評のお仕事をいただいたこともあり、昨年末に新潮社から出版された「北朝鮮 核の資金源―「国連捜査」秘録―」(http://www.shinchosha.co.jp/book/351411/)という本を読んだのですが、これは衝撃的な内容でした。

著者は2011年から16年まで国連安保理・北朝鮮制裁委員会直属の「専門家パネル」に所属し、制裁違反事件の捜査を行っていた古川勝久氏です。「幾度となく強力な制裁を受けてきたにも関わらず、なぜ北朝鮮は核兵器やアメリカにまで届く長距離弾道ミサイルを、開発することができたのか」。この最大の疑問に対する答えを古川氏はこの本の中で告発しています。

専門家パネルの一員として、北朝鮮への制裁に対し、各国がどのような対応をし、北朝鮮がどのような抜け道を作っているかを捜査する立場にあった古川氏の前に立ちはだかる現実。それは、自国の利益やメンツなどを背景にして、なかなか肝心な情報を提供しようとしないどころか、制裁を見逃し正当化までする各国政府の狡猾な対応です。

さらには、北朝鮮と深いつながりを持たない国でさえ起きている国内法の不備も明らかに。例えば「安保理決議の完全履行を」と国連加盟国に呼びかけ、アメリカと足並みをそろえて北朝鮮への圧力強化の先導をきる日本です。古川氏によれば、日本もまた安保理決議を十分に理解していないが故に、国内法の整備が遅れて制裁を正確に履行していないとのこと。

こうした各国の実情を横目に見ながら、北朝鮮はさらなる制裁回避手段を講じ、世界中から市販品のロケット部品を買い集めて長距離弾道ミサイルを作り上げているというわけです。

この本を読むと、現在ニュースで伝えられているような北朝鮮対応がいかに抜け道だらけで、最大限の効果をあげるに程遠いかを突き付けられ暗澹たる気持ちになります。と、同時に制裁の壁になっていると報道される中国やロシアの問題に留まらない実情を暴き出したことで、今世界が本当にやるべきことも見えてくる。2018年、問題解決に向けて世界ができることはまだまだあるのです。

北朝鮮問題のみならず、流動化する中東情勢も含め、私たちの平和で安定した生活はもはや世界情勢を抜きにして実現しえない状況にあります。ハフポスト日本版は2018年も、世界17か国・地域のネットワークを最大限に利用して、どこよりも詳細で世界各国の空気が伝わるニュースをお伝えしていきます。

さらに「様々な立場の人がより自由で住みやすい社会になるために」をテーマに、昨年も「#Ladies Be Open」「#だからひとりが好き」など、社会に埋もれがちな小さな声を大きな声にして届ける記事を発信し好評をいただいてきましたが、今年はさらにこのテーマを発展させていきたいと考えています。古川氏が著書において、現状の問題を明らかにすることで、解決のために何が必要なのかを提示したように、私たちは小さな声を拾い上げて光をあて、一人一人が考えや思いを寄せることで「前に進める」ことができると信じています。

今後、竹下隆一郎編集長からも発表があることと思いますが、目指すは批判にとどまらず、議論のプラットフォームを作り、たくさんの方々と問題を共有することで解決の糸口を見つけていけるメディアです。

5周年を迎えるハフポスト日本版、今年も編集部一同、読者の皆さんと何ができるかワクワクしているところです。本年もなにとぞよろしくお願いいたします。