フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル排出ガス不正問題による騒ぎは収まる気配がないどころか、事態はますます悪い状態になりつつある。
VWは一貫して、不正ソフトウェア、いわゆる「ディフィート・デバイス(無効化装置)」に関与していたのは一部の限られた社員のみだと主張している。しかし、ドイツの情報誌『Der Spiegel』は、少なくとも30人の幹部が不正を把握しており、その多くが停職処分になるだろうと報じている。この話はVWの依頼により米国のジョーンズ・デイ法律事務所が行った外部調査だけでなく、VWが独自に行った予備調査でも明らかになっている。
この報道は、VW米国法人のCEOであるマイケル・ホーン氏(写真)が先週、議会の証人喚問で行った発言と食い違う。ホーン氏は今回のスキャンダルが「組織ぐるみではない」とし、悪意のある一部のソフトウェア・エンジニアによる仕業であると述べていた(その一方で、彼はこのような主張が信じ難いということも認めている)。彼が関与した30人に含まれているか、その可能性があることが証明されれば、上層部を巻き込んだ大問題になるだろう。VWの広報担当は「この数字には根拠がない」と反論している。
また、『Der Spiegel』は「不正な操作なしにテストを合格したEA188、EA288などのディーゼル・エンジンにまで、エンジン開発者が不信感を持つようになった」というVWのエンジニアの発言も引き合いに出している。
グループのCEOであるマティアス・ミューラー氏が今後、上層部に対してどのような処分を行うのか、近々明らかになるだろう。
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
【関連記事】
- Googleの「Android Auto」は、ユーザーのクルマから一体どんなデータを収集しているのか? - Autoblog 日本版
- 【ビデオ】スティーブ・マックイーン『栄光のル・マン』の舞台裏に迫った新作ドキュメンタリー映画の予告編が公開 - Autoblog 日本版
- 【ビデオ】50車線の道路をクルマが埋め尽くす中国の大渋滞を、ドローンで上空から撮影! - Autoblog 日本版
- 【レポート】日本IBM、今後の自動車業界がどう変わっていくのかを知る取り組み、『Automotive 2025』について聞く:飯田裕子 - Autoblog 日本版
- レッドブル、エンジンが獲得できずF1から撤退の可能性も - Autoblog 日本版
(2015年10月17日 autoblog日本版「フォルクスワーゲン排出ガス不正、30人以上の幹部が関与か?」より転載)