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2015年11月15日 01時17分 JST | 更新 2016年11月12日 19時12分 JST

サイボウズ式:通勤電車で「みんな頑張ってるなぁ」と思える瞬間が好き

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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズ外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回は毎日通勤電車に揺られているファーレンハイトさんが考える「チームで仕事をするために大切なこと」について。

サラリーマンであれば毎朝、満員電車に詰め込まれて出勤している人が多いのではないでしょうか。フレックス勤務で人混みが緩和されている時間帯に電車に乗る人もいるでしょうが、それでもそれなりの人数が往来しています。たまに午前休を取って昼すぎに出社しているときなんかは電車が快適すぎて涙が出ます。

俺が新社会人になった頃、朝の通勤ー家畜のようにギュウギュウに押し込まれる満員電車が本当に苦痛で、気が滅入りました。夜まで仕事で拘束され、自宅に帰ってから自分の好きなことをやっていると夜中になり、次の日は「まだ寝てたいのに」という気持ちをグッとこらえて、ピリピリした空気の埼京線に乗っていました(しまいには悪い意味で慣れてしまって、人に身体を預けて"立ったまま寝る"社会人通勤スキルも身につけました)。

中堅になって変わった満員電車内での心境

さて、社会人として中堅と呼ばれる年次になったいまの自分。通勤電車のなかの心境はいつのまにか変わってきました。

ひとつには平日に絶対に確保できる「貴重な自分の時間」という意識です。仕事の段取りを出社するまでに考えたり、読みたい本を読んだり、興味がある分野の調べ事をしたり、ライターとしての細切れの作業をやっていたり。3年目あたりから「有意義に使おう」と思い、睡眠不足を埋めるような使い方はしなくなりました(ちなみに自分はスマホゲームのたぐいは一切やりません)。

もう1つには、満員電車の人たちを見渡すようになりました。色んな人がいます。

頭のてっぺんから足の先までバッチリキメて覇気に満ちている人。疲れきって、精気のない人。ぜったい『Gainer(ゲイナー)』読んでるだろ? というイケメンリーマン。マスクをつけたキレイな女性。ベビーカーを折りたたんで所在なさそうに乗り込んでいるお母さん。自分最強オーラに満ち溢れている高校生たち。そういえば新卒のころに比べて、日経新聞を折りたたんで読んでいる人が減ったなーとか(沿線が変わったからだろうか......)。

少し話はそれますが、俺は電車が好きです。「街」と同じくらい、リアルを感じます。山手線を半周しているあいだに変わっていく客層、銀座線の広告、半蔵門線は表参道付近の人の服装。メディアの発信以上に「いまのニッポン」を感じる。

満員電車の人を見渡すことが、仕事に与えた影響

さて、「人を見渡すようになった」ことにより、「仕事」にどういう影響を与えたかというと、端的に言えば「みんな生きてるなぁ」と感じるようになったことです。それぞれが自分たちの人生を楽しそうに、つまらなさそうに、生き生きとしながら、やりすごすように、頑張っている(ように思える)。

こういった人たちの集合体が会社という組織だ。モチベーションが高い人がいる。定期的に安定収入がもらえればいいだけの人もいる。残業を辞さないで高いミッションを攻略していきたい人もいる。スキルを向上させてステップアップしていきたい人もいる。家族が最優先、産後勤務で早上がりして実質ダブルワークをしているような人もいる。

自分は「他人と仕事をする」「チームワーク」を考えるときに、こういった当たり前のことを認識する必要があると考えています。人それぞれちがう。それは大事にしたいものも、会社において成し遂げたい・得たいことも違うということ。

「自分は優秀な存在である」「自分は有能な人材になりたい」と思っている人ほど、この大前提を見過ごしていることが多々あります。かくいう自分も仕事をやっている人を素晴らしい人格、仕事をやらない人をダメ人間のような目で見てしまうこともあります。

だけど、それは自分の価値観の押し付けでしかなく、その人たちが最低限のミッションをこなしているかぎりは、それ以上を期待したり、逆にやっているからといって過剰に素晴らしいと思うようなことはしてはいけないと思うようになった。おそらく「意識が高い人」「自分の意志を持っている人」ほどこの罠にハマるような気がする。

身近なメンバーの思いや事情を知るということ

ちょっと視点を変えると、マネジマントする立場はいかに部下を職場のなかでモチベートさせるか、チーム力を強化するか、そういった視点と舵取りが重要になりますが、上手くやっている人はそれぞれの事情を超えた楽しさ(紙一重の言葉ですが"やりがい")なり、人間関係("このメンバーのためなら頑張る")という気持ちをくすぐっていることが分かります。

電車のなかを見渡す必要はないですが、自分の身近なメンバーの「それぞれの思い」「それぞれの事情」をまずは知ってみようとすること、その前提で「彼らの思い」と「自分の思い」の最大公約数を取れる地点はないだろうか? そこに思いを馳せることからチームワークの一歩は始まるのではないかと思うのであります。

ファーレンハイトさんより

普段はブログ「My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only」、Web媒体「AM [アム] 」で恋愛・人間関係について書いています。サイボウズ式のブロガーズ・コラムでは、仕事・チームワークにおける他人との関係性について何らかの価値を提供できたらと思っています。

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サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。

本記事は、2015年4月 7日のサイボウズ式掲載記事「通勤電車で「みんな頑張ってるなぁ」と思える瞬間が好き」より転載しました。

イラスト:マツナガエイコ