世界に誰もいなくなったとしたら、あなたはそれでもメイクをし続けますか

すっぴん日記 第4話
ARISA IDO

9月4日 月曜日  天気:曇りのち雨 肌:残業で少し脂っこい

体がいつもより重い。土日にゆっくり過ごしていた分、月曜の朝は頭と体の切り替えが難しい。

今日は、オフィスではなく家で仕事をすることを前から決めていた。

自宅などオフィス以外の場所で仕事をすることを、ハフポストでは「リモートワーク」と呼んでいる。

リモートワークの良さは、満員電車に揺られながら会社に行かなくて済むだけではない。

化粧をしなくてもいいのだ。

リモートワークとはいえ、オフィスにいる人とコミュニケーションを取りながら仕事をするのだが、チャットツールを通じて音声だけでやりとりすることが多い。

つまり「顔」は見せなくてもいい。

それは、朝長い時間かけてメイクをしたり、髪を巻いたりして会社に行く準備をする女性にとって朗報だ。

私は、どちらにしろすっぴんで過ごすつもりだったのだが、それでも気持ちは楽になった。

誰にもすっぴんを見られる心配がないからだ。

もし、私がこのまま一生リモートワークを続けるとしたら、つまり仕事上で誰とも会わないとしたら、

私はメイクをするのだろうか。

ふと誰もいないリビングでカタカタとパソコンを打ちながら考えた。

おそらく答えは「NO」だ。

だって、面倒くさいじゃないか。

だって、仕事のアウトプットに関係ないじゃないか。

そして何より、見せる相手がいないのにメイクしても、つまらないじゃないか。

メイクには、それが仕方なくやっているにしろ、自ら好んでやっているにしろ、

見てくれる「相手」が必要だと思う。

世界にもし人間が一人しかいなかったら、メイクはきっとなかった。

(それ以前にいろんなことが「ない」はずなのだが、この際すっ飛ばして考える)

会話に「相手」が必要なように、メイクも「相手」が必要だ。

私たちが、必死に雑誌や動画や口コミサイトを見てメイクを研究したり、ドラッグストアや化粧品売り場で新作商品を試してみたりするのも、見てくれる「相手」を探しているのかもしれない。

私は、その相手が自分の「すっぴん」を見ても、変わらずに接してくれる人であることを切に願う。

皮肉な話ではあるけれど。

◇◇◇

ハフポスト日本版でエディターとして働く私(27歳)は、2017年9月いっぱいを「ノーメイク」で過ごしました。仕事も、プライベートも、あえてメイクを塗らないことで見えてきた世界を、1カ月間少しずつ書き留めていきました。これから平日朝7時ごろ、順次公開していきます。

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