【ゴールデン・グローブ賞】女性は監督賞と脚本賞にノミネートされず「正当性なんて期待しちゃダメ」の声も

高い評価を受けている『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の監督を務めたグレタ・ガーウィグの名前はなかった。
ノミネートの有力候補者だった『若草物語』監督、グレタ・ガーウィグ
ノミネートの有力候補者だった『若草物語』監督、グレタ・ガーウィグ
Paul Bruinooge via Getty Images

アメリカにおける映画とテレビドラマ作品に送られるゴールデングローブ賞。しかし残念ながらこの界隈では、男性優位の現実が相変わらず幅を利かせているようだ。

2020年1月に開催される、第77回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションがアメリカ・ロサンゼルスで12月9日に発表された。しかし監督賞と脚本賞に女性は誰1人として選出されなかった。

過去1年の映画とテレビドラマ作品における卓越した業績を称え、受賞候補者をノミネートするのはハリウッド外国人映画記者協会。多くの才能ある女性が活躍したが、選出された監督は全て男性だった。

2020年度の監督賞にノミネートされたのは:

ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)
サム・メンデス(『1917 命をかけた伝令』)
トッド・フィリップス(『ジョーカー』)
マーティン・スコセッシ(『アイリッシュマン』)
クエンティン・タランティーノ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)

の5人となっており、いずれも男性だ。

中でも高い評価を受け、豪華キャストも数多く出演している『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の監督を務めたグレタ・ガーウィグがノミネートされなかったのは、晴天の霹靂であろう。2018年、初監督作『レディ・バード』で、オスカーの監督部門にノミネートされた史上5番目の女性監督となった彼女は、2019年のアワードシーズンでも輝かしい評価を受けると予想されていた。

『ハニー・ボーイ』の監督としてノミネートが囁かれていたアルマ・ハレルは「アワードに正当性なんて期待しちゃダメ」とTwitter上でこの現状にコメントして「私たちが新しい世界を築いていく」と続けた。 

ローリーン・スカファリア(左)とグレタ・ガーウィグ(右)
ローリーン・スカファリア(左)とグレタ・ガーウィグ(右)
MATT WINKELMEYER VIA GETTY IMAGES

他にも、ローリーン・スカファリア (『ハスラーズ』)やLulu Wang(『フェアウェル』)、『ある女流作家の罪と罰』で去年、ノミネートを逃したマリエル・ヘラー(『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド』)など、期待の声が高まっていた女性監督が次々とノミネートを逃している。

テレビ部門においては、エイヴァ・デュヴァーネイが監督を務め、エミー賞でも高評価を得た話題作『ボクらを見る目』がノミネートを逃す結果となった。

同アワードは、2018年も似たような芳しくない結果になっており、最優秀監督賞の受賞者を発表するプレゼンターとして登壇した女優のナタリー・ポートマンが「候補者はこちらの方々です」というフレーズに一節を足して「候補者はこちらの男性の方々です」と男性ばかりの候補者たちを紹介し、映画界にチクリと問題提起をした程だ。

他の多くのアワードと同様、ゴールデングローブ賞は77年の歴史の中で、監督部門において恥ずかしいほどに女性の業績を殆ど評価して来なかった。

1984年に女性で初めてノミネートされたバーブラ・ストライサンドを筆頭に、その後ノミネートされたのは今日に到るまで、ジェーン・カンピオン(『ピアノ・レッスン』)、ソフィア・コッポラ(『ロスト・イン・トランスレーション』)キャサリン・ビグロー(『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』) 、そしてエイヴァ・デュヴァーネイ(『グローリー/ 明日への行進』) の4人のみとなってる。

ハフポストUS版の記事を翻訳、編集、加筆しました。

注目記事