生放送中、警察官が報道カメラにコショウ弾 アメリカ・黒人死亡事件の抗議現場で

抗議活動が激しくなる中で、警察官によるジャーナリストに対する暴力も発生している。

アメリカ・ミネソタ州のミネアポリスで黒人のジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられ亡くなった事件。抗議活動が激しくなる中で、警察官によるジャーナリストに対する暴力も発生している。

ケンタッキー州ルイビルでは、生放送中の取材陣に向かって、警察官がコショウ弾を発砲した。

発砲があったのは、現地時間29日午後9時43分頃のケンタッキー州ルイビル。抗議活動を取材していたNBCの関連局、Wave3が現地から生放送中に、警察当局らしき人物がカメラのレンズに対して銃のようなものを向けた。

スタジオと中継を結んで現地からレポートしていた、ケイトリン・ラストさんは、それに気づいた瞬間、大声で叫び「コショウ弾、コショウ弾です」と繰り返した。

スタジオのキャスターが「誰をめがけているの?」と尋ねるとラストさんは「私たちに向かって!」と叫んだ。その後、混乱した様子でラストさんがその場を離れるまでの様子は、そのまま放送されていた。

同社の声明によるとフォトジャーナリストのジェームズ・ドブソンさんが同行していたという。

ケンタッキー州では、3月、救急救命士の黒人女性ブリアンナ・テイラーさんが住所を間違えた警察に射殺されており、抗議活動も激しく行われていた。コショウ弾は、香港のデモなどでも使用されていた。

この事件をめぐっては、29日朝にもミネアポリスでCNNのレポーターが生放送中に逮捕される衝撃的な事件が起こっている。

29日午前5時すぎ、CNNのレポーターオマル・ヒメネスさんら3人がミネアポリスでの抗議活動を取材中、警察官に逮捕された。レポーターが手錠をかけられ連行される一部始終はCNNによって撮影されていた。

さらに、同じように取材していた同僚の白人レポーターは、警察官に接触されながらも逮捕されなかったことから、警察の黒人差別的な取締手法がさらに明るみに出ることになった。

逮捕されたヒメネスさんは、身元を明らかにし、現地の規制にしたがって取材を行っていることを警察官に説明したが、警察官は聞き入れずに逮捕。その後午前6時半ごろに公安施設から解放された。

解放後、ヒメネスさんは現場に再び戻ったと自らツイートしている。

CNNはこれに厳重に抗議。ミネソタ州知事が謝罪する事態に追い込まれた。

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