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2020年12月24日 06時30分 JST | 更新 2020年12月24日 17時57分 JST

SHELLY「『やめては2回言わせない』これ2年前なら絶対バズらなかった。世の中が変化してきた」

「自分の体は自分のもの」という自覚や、性的同意の大切さを10代のうちから持てていたら、きっとものの見方が変わっていたはず━━。「ずっと性の話をしたかった」というSHELLYさんにインタビュー、4回にわたってお届けする第一回です。

KAORI NISHIDA/西田香織
SHELLYさん

バラエティからニュース番組まで、タレントとして多方面で活躍しながら、自分の言葉ではっきりと意見する姿勢が支持されているSHELLYさん。 

最近では、「子どもに『やめて』は2回言わせない」「あなたのNOには力があるんだよと伝えたい」という2人の娘を育てる親としての発言が、メディアで大きな反響を呼びました

そんなSHELLYさんがYouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」を開設。テーマは自身が10代のときからずっと関心を抱き、学び、向き合ってきた「性」についてのこと。  

なぜそこまで性教育に力を入れるのか? 

SHELLYさんに話を聞きました。 

 

ずっと性の話をしたかった

KAORI NISHIDA/西田香織
SHELLYさん

「SHELLYさん、最近よく性教育に関することを発信していますよね」と言われる機会が2020年はとくに増えましたが、別に最近に限ったことじゃないんですよ。10代のときからずっと性教育に関しては熱い思いがあって、自分なりにめちゃくちゃ情報を集めて勉強していましたから。

生理の悩み、女性ならではの不調、セックスってどんなことなのか、コンドームやそれ以外の避妊具のこと。

どれもちゃんと知りたいことなのに、大人は誰もきちんと教えてくれなかった。

学校の保健体育で「精子と卵子が出会って受精します」とそこだけピンポイントで教わっても、クエスチョンしかないじゃないですか? セックスが何かをきちんと教えずに、受精の話だけをするのはナンセンス。

自分の体や性について正しく学べる場がほとんどないまま、みんな大人になってしまう。

「自分の体は自分のもの」という自覚や性的同意の大切さを、10代のうちから持てていたのなら、いろんなものの見方がきっと変わっただろうな、と思う女性は私だけじゃないだろうな、と思っています。

1回だけ、両親がそういうことを話そうとしてくれた機会はあったんですよ。でも親がガッチガチに緊張しているから、私もつられて緊張しちゃって。もう何のトピックスだったのかも記憶にない(笑)。

ただ、私は三姉妹の末っ子で、姉ふたりがいろんなことを教えてくれたおかげで、同世代の友人たちと比べると知識を持っていたほうだと思います。だから知識がまったくない友達を見ると「それで大丈夫?」って心配になるようなことがたくさんあって。

そういう出来事が一個ずつ重なっていくなかで、性教育って本当に大事なことなんだ、と考えるようになりました。

SHELLYさんのinstagramより
2人のお姉さんとSHELLYさん(中央)

性教育がようやくホットになった理由 

NHK「あさイチ」の性教育特集に出演したときに私が言った「やめては絶対に2回言わせない」「娘たちにはあなたのNOには力があるんだよと教えたい」というコメントが、SNSですごく話題になったんですね。

でもこれが2年前の発言だったら、絶対にバズらなかったはず。  

日本のジェンダーギャップ指数(121位)の低さ、埋まらない男女の経済格差、シングルマザーが置かれている状況、性的同意の認知の高まり…。そういった今の時代が抱える女性を取り巻く問題点、言い方を変えればホットな話題のひとつとして「性教育」もあって、みんながそのことについて考え、発信するようになってきましたよね。

世の中がそういう風に変化してきた。だからこそ、私のコメントを「響いた」と言ってくれる人も増えてきているんだと思います。

 

30代のSHELLYだから伝えられること

性教育のことをもっと発信していきたい。

私がそう考えるようになったのは、2017年からMCを務めてきたニュース専門番組「Wの悲喜劇」(AbemaTV)の影響もあります。

「Wの悲劇」は女性が向き合っている問題をオープンに話し合うコンセプトの番組なのですが、スタッフさんと話し合った上で、性教育を番組の大きな柱のひとつに据えて、これまで何度も取り上げてきたんですね。そこで、いろんな視点や知見をインプットできたおかげで、「やっぱり性のこと、もっと発信したい」という気持ちが高まってきたことも大きいですね。

もうひとつ、30代になった今の私だから伝えられることもあると思っていて。

10代、20代のときにセックスや性にまつわることでどんな失敗をしてきたのか。どんな悩みを抱えて、どうやって解決してきたのか。

そういう本当の部分を、今まさにその場所で悩んでいる女の子・男の子に伝えていきたい。

YouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」はそうした思いから始まりました。

2020年代の10・20代はどう感じているか、どんなつらさがあるのかも、コメント欄でどんどん教えてもらえたら嬉しいですね。そういった形でフィードバックを繰り返していけば、すごくリアルなチャンネルになっていけるんじゃないかな。

KAORI NISHIDA/西田香織
SHELLYさん

斜めの関係性は話しやすい

親には言いたくないこと、近すぎる相手には言えないことでも、ちょっと距離がある「斜めの関係性」なら聞けるし話せることってありますよね。

私には中学1年生の姪がいるのですが、「お母さんには話せない秘密」をときどきこっそり打ち明けてくれるんですよ。親とはちょっと違う距離感で、大人だけど大人すぎない30代の私が相手だからこそ、話しやすいこともある。

そんな風に感じている10代は多いんじゃないかな。もちろん、そこには大前提として信頼関係がないといけないけれども。

「SHELLYのお風呂場」は基本的には私が一人で話す番組ですが、専門家の方を呼んでの対談やイベントもやっていきたい。セクシュアリティの悩み、性暴力の問題はもちろん、LGBT、「女らしさ」の弊害といったジェンダーの問題もどんどん取り上げていくつもりです。

でもやっぱり私が若い世代に一番伝えたいことは、「自分の体を大事にする」ということ。

「みんながセックスしてるから私もしなきゃ」「本当はしたくないけど、断ったら嫌われるかな」といった誤った思い込みで悩まないでほしいんですね。「今」の「自分」の体と気持ちを一番に守ってほしいし、若いときのセックスの失敗をずっと引きずるような人生は送ってほしくないんですね。

実際にそういう経験を重ねてきた大人の一人として、そのためにできることをしていきたいんです。

KAORI NISHIDA/西田香織
SHELLYさん

パワーと発信力がついたら何をしたい?

モデルをやっていた頃、ある先輩モデルが言った忘れられない言葉があります。

「私はモデルとして上り詰めたいわけじゃない。一番やりたいことは本を書くことで、その目標のために今、モデルとして頑張っている。モデルとして有名になることが本を売る近道になると思うから」

私、それを聞いて「そんな考え方があるんだ!」と衝撃を受けたんです。

私自身、仕事へのハングリー精神はめちゃくちゃあるんですけど、有名になりたいわけではないんですね。でも、メディアを通じて広く名前と顔が知られると、結果的にそこにはパワーと発信力が付随してくる。

じゃあもしも自分がタレントとして発信力をつけることができたら、何を一番やりたいんだろう? と考えてみたら、「性教育を発信していきたい」が答えだったんです。

10代、20代の女の子や男の子たちと、照れたり笑ったりすることなく、オープンに性の話をしていきたい。いつかそういう場をつくりたい。私がタレントとしてテレビのバラエティ番組に出演するようになった大きなモチベーションのひとつは、実はそこなんですね。

もちろん、バラエティ番組は大好きだし楽しい現場だけれども、その先にある目標として、「性のことをオープンに話せる場をつくる」という目標が私のなかにはずっとあった。

私にとって、性教育はそれくらい大切なことなんです。 

SHELLY(シェリー)

1984 年生まれ、神奈川県出身。14 歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。4歳と2歳の娘の母。 

(取材・文:阿部花恵 編集:毛谷村真木