女子テニス協会、中国での大会中止を発表。彭帥選手の安否問題で「重大な疑問を抱いている」

サイモンCEOは「2022年に中国で大会を開催した場合、選手やスタッフ全員が直面しうるリスクを大いに懸念している」と述べました。
テニスの全豪オープンでプレーする中国の彭帥選手=2020年1月21日、オーストラリア・メルボルン
テニスの全豪オープンでプレーする中国の彭帥選手=2020年1月21日、オーストラリア・メルボルン
AFP=時事

中国の前副首相から性的関係を迫られたなどと告発した女子プロテニスの彭帥(ほう・すい)選手の安否が懸念されている問題で、女子テニス協会(WTA)は12月1日、中国が信頼できる対処をしていないなどとして、香港を含む中国での全ての大会を中止すると発表した。

WTAのスティーブ・サイモン最高経営責任者(CEO)は「彭選手の居場所は分かったが、彼女が自由で安全で、検閲や強制、脅迫を受けていないのかどうか重大な疑問を抱いている」と表明。彭選手の告発に対して、検閲のない完全で透明な調査を改めて求めた。

こうした現状を踏まえ、サイモンCEOは「2022年に中国で大会を開催した場合、選手やスタッフ全員が直面しうるリスクを大いに懸念している」と述べた。

中国の女子プロテニスの彭選手は11月、中国の張高麗(ちょう・こうらい)前副首相と不倫関係にあり、性的関係を迫られたなどとSNSで告発。その後の安否が懸念されている。

国際オリンピック委員会(IOC)は11月21日、トーマス・バッハ会長が彭選手とのテレビ電話で無事を確認したと発表したが、テレビ電話がどのように設定されたか説明しなかったなどとして国際人権団体から「中国のプロパガンダを助長するな」と批判された。

注目記事