新しいバービー人形は、差別と闘った黒人ジャーナリスト。アイダ・B・ウェルズ氏とは?

人種差別や性差別、暴力と闘った著名なジャーナリストがバービー人形に。その功績を振り返ります。
アイダ・B・ウェルズ氏(1893年頃シカゴで撮影、提供写真)
アイダ・B・ウェルズ氏(1893年頃シカゴで撮影、提供写真)
Handout . via Reuters

世界中の子どもたちに愛される着せ替え人形「バービー」に、著名な黒人女性ジャーナリスト、アイダ・B・ウェルズ氏が加わった。

1月12日、バービーの公式Instagramなどで発表された。

投稿によると、何世代にもわたって大きな夢と変化をもたらす道を切り開いたヒーローにスポットライトを当てるバービーの「Inspiring Women」シリーズの最新のロールモデルとしてだという。

CNNは、「リンチの恐怖を暴くために活動した有名な黒人ジャーナリスト、アイダ・B・ウェルズがバービーによって不滅の存在になった」と報じている

アイダ・B・ウェルズ氏の功績は?

バービーの公式Instagramでは、「奴隷として生まれたアイダは、ジャーナリスト、活動家、参政権論者として成長し、生涯を通じて黒人が直面した不公平の話に光を当て、NAACP全米有色人種地位向上協会)を含むいくつかの組織を共同設立しました」と功績を称え、「アイダ・B・ウェルズのようなヒーローについて学んだ子どもたちは、よりよい未来を想像するだけでなく、自分にはそれを実現する力があることを知るのです」とつづっている。

アメリカの女性史博物館のサイトによると、ウェルズ氏は1862年、ミシシッピ州で奴隷の身として生まれた。

両親は教育の重要性を説き、彼女は教師の仕事に就いたという。友人がリンチされたことをきっかけに、ウェルズ氏は白人の暴徒による暴力に目を向けるようになり、いくつかの事件の調査に乗り出した。その結果をパンフレットにまとめ、地元の新聞にコラムを書くと、脅迫にさらされたという。

ウェルズ氏はその後も人種差別と闘い、海外に向けてもリンチの実態を明らかにした。女性の権利運動にも積極的に参加し続けた。全米有色女性協会(National Association of Colored Women’s Club)の創設者でもある。

1931年に死去した後、リンチが行われていた時代のアフリカ系アメリカ人に対する恐ろしい暴力について勇気ある報道を行ったとして、2020年にピュリツァー賞の特別賞を受賞した

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