「ハリポタ」作者をプーチン大統領が擁護→「収監し毒を盛る人間が...」本人はウクライナへ連帯表明

J.K.ローリングさんはここ数年、トランスジェンダーを否定するような発言で批判されてきた

世界的に人気のあるファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの作者、J.K.ローリングさんは3月25日、ウクライナへの武力侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が演説で自身を引き合いに出したのに対し「適切ではない」と批判した。

ローリングさん(左)とプーチン氏(右)
ローリングさん(左)とプーチン氏(右)
Getty Images

問題の演説がされたのは25日。ロシアのプーチン大統領は国内の文化賞受賞者とビデオ会議で面会し、AFP通信などによると、欧米諸国が「1000年の歴史を持つ国をキャンセルしようとしている」と自説を展開した。

併せて「ロシアに関する全てのものが、徐々に差別の対象になっている」「キャンセル・カルチャーが文化の否定になっている」とも語った。BBCによると、具体的な根拠は示していない。

キャンセル・カルチャーとは、特定の企業や人物などに対し、排斥や制裁を求める動きのことを指す。

この中で引き合いに出されたのがJ.K.ローリングさんだ。プーチン氏はローリングさんについて「いわゆるジェンダーの自由を大事にする人の不興を買ったため」キャンセル・カルチャーの標的にされたと主張した。

ローリングさんはここ数年、トランスジェンダーを否定するような発言で批判されてきた

2018年には、トランスジェンダー女性に対して「ドレスを着た男性」などと中傷したツイートに「いいね」を押したことが発覚。2019年には「人は性別を変えられない」といった発言で仕事を失った女性を擁護する内容をツイートし、物議を醸した。

さらに2020年には、トランスジェンダー男性など、女性以外で月経がある人にも配慮した「月経がある人たち」という表現を用いた意見記事をTwitterで引用し、茶化すようなコメントをしたことが批判された

プーチン氏のこの演説に抗議したのがローリングさん本人だ。Twitterに、ロシアで収監されている反体制派指導者のナワリヌイ氏に関する記事のリンクを添付したうえで次のように綴った。

「西洋のキャンセル・カルチャーに対する批判が、抵抗の罪で市民を虐殺したり、批判する人を投獄し毒を盛ったりする人間によってなされるのは適切ではないでしょう」

ローリングさんは「#IStandWithUkraine(ウクライナと共にある)」のハッシュタグも書き添えた。

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