11月にカタールで開催されるサッカー・ワールドカップで、現地観戦に必要なファン向けのID登録をめぐって台湾当局が「待った」をかける一幕があった。
これまでは台湾の人々も国籍が「中国」などと扱われる状態で、台湾当局は抗議。翌日には「台湾」の欄が出現し、当局は「素早い対応に感謝する」などと反応した。
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カタールで開催される予定のワールドカップをめぐっては、現地観戦するファンに「ヘイヤ・カード(Hayya card)」と呼ばれるファンIDが発行され、入国ビザとスタジアムへの入場チケットの役割を果たすことになっている。
しかし、台湾メディアによると、アプリなどでIDを申請する際、入力する国籍欄には「台湾」や「チャイニーズ・タイペイ」などはなく、「中国」や「中国台湾」のみが選べる状態だったという。「中国台湾」には、台湾は中国の一部だとするニュアンスがある。
台湾当局は6月15日、これに抗議。ロイター通信によると「侮蔑することは容認できない」とし、政治的要素を干渉させないよう訴えたという。
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当局の抗議は届いたようだ。外交部(外務省に相当)の欧江安(おう・こうあん)報道官は16日の定例会見で、「台湾」が選べるようになったと報告した。
そのうえで「我々の要求に素早く応えてくれたことに感謝したい。またこの問題に注目してくれたメディアや各界の人々にもお礼を言いたい」などと話した。
ワールドカップは11月21日に開幕する。