ロードオブザリング公式、出演者への人種差別に抗議「無視も容認もしない」 ⇒ スターウォーズも連帯

「有色人種のキャストたちが日常的に受けている容赦ない人種差別、脅迫、ハラスメント、中傷に反対します」。映画版のキャストたちからも、連帯のメッセージが相次いでいる。
『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』シリーズのキャストたち
『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』シリーズのキャストたち
via Associated Press

Amazonプライムビデオで9月から配信がスタートした『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』で、有色人種のキャストに対する人種差別や誹謗中傷の書き込みが相次いでいる。これに対し、作品の公式Twitterが、出演者を標的にした人種差別に抗議する声明を投稿。『スター・ウォーズ』公式がこれに連帯するコメントをツイートし、話題を呼んでいる。

差別や脅迫に「無視も容認もしません」

『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』は、J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』に基づくドラマシリーズ。エルフやドワーフなどさまざまな種族のキャラクターに有色人種の俳優が起用されたことに対し、議論が噴出していた。白人以外のキャストに対する人種差別的なコメントや中傷も続出した。

ロード・オブ・ザ・リングの公式アカウントは9月8日、Twitterに「私たちはキャストに連帯します」と投稿。ハッシュタグ「#YouAreAllWelcomeHere(すべての人を歓迎します)」を添え、次のように呼びかけた。

「我たち『力の指輪』のキャストは、絶対的な連帯で団結し、有色人種のキャストたちが日常的に受けている容赦ない人種差別、脅迫、ハラスメント、中傷に反対します。私たちは、これらを無視も容認もしません」

さらに声明では、原作者のトールキンが「多文化の世界を創造しました」と強調。「人種や文化の異なる自由な人々が加わり、協力し合って、悪の勢力を倒す世界です。『力の指輪』はそれを反映した作品なのです」と説明した。

その上で、「私たちの世界もファンタジーも(作中に出てくる)中つ国も、白人だけだったことはありません」と訴え、「黒人や先住民、有色人種は中つ国の一員で、今ここに存在しているのです」と続けた。

投稿では、攻撃を受ける有色人種のファンらに向けたメッセージもつづった。

「あなたとその勇気、あなたの無限の創造力が見えています。あなたのコスプレ、ファン動画やアート、そして洞察は、このコミュニティをより豊かな場所にし、私たちの目的を思い出させてくれます。あなたは真っ当で、愛され、ここにいる。あなたはロード・オブ・ザ・リングのファミリーにとって、かけがえのない一員です」

スター・ウォーズ、映画版キャストも連帯

これに対し、『スター・ウォーズ』公式Twitterも反応。同じく「#YouAreAllWelcomeHere」のハッシュタグを添え、「君たちの中つ国から、はるか彼方の銀河まで...」と連帯の姿勢を示した。

人種差別に抗議し、連帯する動きは映画版のキャストにも広がっている。

主人公フロドを演じたイライジャ・ウッドさんは、ピピン役のビリー・ボイドさん、メリー役のドミニク・モナハンさんと写った写真をTwitterで投稿。3人は、多様な肌の色をした種族の耳が描かれたTシャツを着ている。

ウッドさんは投稿で「You are all welcome here」とつづった。このほか、サム役のショーン・アスティンさんもTシャツと同じデザインのキャップを被った写真をシェアし、連帯のメッセージを発信している。

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