アメリカ政府が、2001年の9.11アメリカ同時多発テロへのサウジアラビアの関与を明らかにする28ページの文書を公表することについて検討している。同書はこれまで13年間機密扱いとされてきたが、オバマ大統領のサウジアラビア訪問を前に文書の公表に関する議論が起こっている。
2003年、アメリカ民主党・共和党から構成される調査委員会は、800ページ以上にも渡る同時多発テロに関する報告書を公開。報告書では、同テロへのサウジアラビアの関与の可能性に関する28ページの文書が削除されており、『28ページ文書』として知られるこの部分は、国家安全保障を理由として13年間機密扱いとされてきた。
今月10日(日)夜、同時多発テロ調査委員会の責任者の1人だったアメリカの元上院議員ボブ・グラハム氏はCBSテレビに対し、「この機密文書はアメリカ国内で9.11同時多発テロの実行犯を支援していたネットワークの存在を明らかにしている。」と発言。同時に、そのネットワークがサウジアラビア政府や同国内の富裕層、慈善団体を含んでいることにも言及した。
なお昨年2月には、9.11テロの実行犯で唯一アメリカで有罪判決を受けたザカリアス・ムサウイ受刑者が、"1990年代に国際テロ組織アルカイダがサウジアラビアの王族から多額の寄付金を得ていた"という旨を発言していたことが、9.11被害者らが起こした訴訟の原告側弁護団がニューヨークの連邦裁判所に提出した文書から明らかになっている。
グラハム氏は、「アメリカ政府はサウジアラビアとの関係を擁護するため、同時多発テロへのサウジアラビアの関与に関係する文書を機密扱いにした。」とも発言しており、石油産出国としても大切な「パートナー」であるサウジアラビアに対するアメリカ政府の姿勢が伺える。
記事執筆者:原貫太
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(2016年4月14日 政治解説メディアPlatnews「アメリカ、9.11テロへのサウジアラビア関与の文書公表を検討-13年間機密扱い」より転載)