「働きかたを変えたい」そんな想いが伝わってきた【編集ノート】

2014年は、働きかたやライフスタイルの記事を通じて、みなさんの声に耳を澄ます1年だった。

2014年は、働きかたやライフスタイルの記事を通じて、みなさんの声に耳を澄ます1年だった。

ワークライフバランス、女性の活躍推進、教育、少子高齢化、地方創生......社会の抱える課題のヒントを探しつづけたことが、「1周年記念イベント 未来のつくりかた」や「ジョブチェンジする働きかた」といったイベントで、有識者やみなさんと一緒に考える機会につながったように思う。

2014年、みなさんの心に響いたライフスタイル関連の記事を以下にまとめた。今読み返しても、未来のヒントが詰まっている。

日本と同じ経済大国、ドイツのレポート記事。年間30日の有給を楽しみながら少人数のチームで働くドイツの働きかたは2.5万いいね!を超える反響を呼んだ。「働きかた」への高い関心を実感した記事だった。

女性のライフスタイルを提案する「Woman's Story」。小室淑恵さんのライフストーリーは、多くの女性の共感を呼んだ。「ワークとライフの相乗効果の関係性こそ、ワークライフバランスの本質」という言葉が印象的だった。

安倍政権が「2020年までに女性の管理職を30%にする」という目標を掲げてから、"女性管理職"は大きなイシューとなった。女性役員47%のP&Gのフレックスな勤務制度や、育産休や休職のサポート体制は、多くの企業が参考にできると感じた。

「働くママ」の動画が話題となったサイボウズ。青野慶久社長に育児がビジネスや社会に与える影響を語ってもらった。目の前の子育てとビジネスがつながったという育休時のエピソードは忘れられない。

武蔵大学の田中俊之さんに、男性学の視点から男女の価値観の違いを聞いた。育児や家事に対する男性の考えかたを紹介したところ、子育て世代だけでなく独身の男性からも感想が寄せられた。

教育や福祉に手厚く、待機児童問題で悩むこともない男女平等の国フィンランド。その理想と現実を紹介したレポートは、2.1万いいね!を超えた。人口やリソースの少ない国のライフスタイルは、これからの日本の参考になるだろう。

経営者や政治家、官公庁やNPOなどへの戦略的なアドバイスを行う経営ストラテジストの坂之上洋子さんに「仕事の楽しみかた」を聞いた。「人への"ギブ"が、将来の"財産"になる」「仕事は、トラブルが起きるのが当たり前」などのシンプルなメッセージは、男女や世代を問わず共感を呼んだ。

アジアのリーダーを育てる軽井沢の全寮制学校「ISAK」が8月に開校。世界各国からやってきた新入生の瞳は輝いていた。代表理事の小林りんさんの歩みは、こちらの記事などにまとまっている。

中室牧子さんに聞いた「エビデンス・ベースト」の話は大きなインパクトがあった。データを分析して、最も効果的な教育政策を提案する"教育経済学"。もっと日本に広がるべきだと感じた。

「地元を大切に、人を大切に」競争や拡大とは距離を置く老舗の商いは、多くの人の反響を呼んだ。長い目で地元や商品を大切にしていく姿勢は、地方創生のヒントが詰まっているのではないか。

少子高齢化時代の新しいヒーロー像を映画『0.5ミリ』で描いた安藤桃子監督。介護の原体験が、年配の方に対する敬意や深い洞察につながっている。最後の「摩擦を起こせ」というメッセージがずっと心に残っている。