伸ばすのもダメにするのも親次第?
歌ったり、踊ったり、作ったり。子どもはみんなアーティスト、少なくともその素質は持っているはずです。それを伸ばすのもダメにするのも周囲の接し方次第なんですよね。ということで、子どもの芸術的センスをつぶしてしまいがちな「NGワード」と、その言い換え例をお伝えします。
うっかり言ってしまいがちな、こんな言葉には気をつけて
「空は青でしょ!」
お絵かきをしていて、子どもが空をピンクで塗りはじめたらどうしますか? 不安になって「空は青でしょ」なんて声をかけてしまうかも知れません。でもこれは子どもの芸術的センスをつぶす言葉。ピンクに塗ったのは昨日見た夕焼けの美しさを再現したかったのかも知れないし、もし空がピンクだったらという思考実験かも知れません。型にはめることで子どもの可能性をつぶしてしまうのです。決めつけて大人目線のアドバイスをする前に「お、ピンクで塗ったんだ」「そこはそうしたんだ?」と好意的に質問してみましょう、子どもが「空がピンクだと、みんなのお顔もピンクで面白いよ!」などと解説をしてくれたら、面白いですよね。
「そんな演奏じゃ笑われちゃうよ」
ピアノやバイオリンなど、楽器を習っているお子さんが、発表会に向けて一生懸命練習をしているとき(あるいはいい加減にしか練習をしていないとき)、もっとがんばって欲しくて「そんな演奏じゃ......」とダメ出ししてしまう気持ち、わかります。でもこれは逆効果。言われた子どもは練習を義務と感じますし、発表会を「人前で恥をかかされる嫌なもの」と認識してしまいます。これではどんなに好きで始めた楽器でも楽しくなくなり、続けるのが苦痛になってしまいますよね。楽器は毎日の積み重ねです。「もっと聴かせて」「あなたのピアノの音が好きだわ」など、練習することが嬉しくなるような言葉をかけてモチベーションをアップさせましょう。
「下手ねえ」
これは言わずもがなですね。どんなに好きなことでも、ママやパパに「下手」と決めつけられてしまうと子どもの意欲はしぼんでしまいます。客観的に見て今はどんなに残念な仕上がりであっても、続けているうちにだんだん上達することもあります。下手だからと避けてしまえばもう上達はのぞめません。嫌いにさせないことが第一です。あまり上手ではないなあと思ったときは正直に伝えなくていいんです。「個性的ね!」「趣がある!」と曖昧にほめておきましょう。
「ママは下手だから......」
絵を描いている子どもが「ママも一緒に描こう!」と誘ってきたとき「ママは下手だから描かない」なんて断っていませんか。子どもに謙遜は通じません。下手だからと断ることは「下手な絵は描いてはいけない」というメッセージを伝えてしまいます。「下手だからダメ」なんてことはありません。下手でも楽しめばそれでいいんです。上手な作品を作ることより、作る課程や演奏そのものを楽しむことの方が大事ですよ。
「普通にしなさい」
アーティストとか芸術家とか言われる人たちを思い浮かべると、かなり個性的なかたが多いですね。芸術的センスを伸ばしたいなら「みんなと同じ」「普通が一番」という価値観にはあまり重きを置かない方がいいかもしれません。そもそも「普通」の基準がどこなのかも決まっているわけではありません。誰にだって個性があります。それを伸ばせるかつぶしてしまうか、親の影響も大きいのではないでしょうか。
ライター 曽田 照子
書籍、広告、WEB、フリーペーパー、情報誌など、多彩な媒体に執筆。
著書
「ママが必ず知っておきたい!子どもに言ってはいけない55の言葉」メイツ出版
「『お母さんの愛情不足が原因』と言われたとき読む本」中経の文庫
「お母さんガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気を失う言葉66」学研パブリッシング等。
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ワーママを、楽しく。LAXIC
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LAXICは、「ワーママを、楽しく」をキャッチフレーズに子育ても仕事も自分らしく楽しみたいワーママやワーパパ、彼らを取り巻く人々のための情報を集めたWEBメディアです
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