学校の先生からの電話 ワーママだからこそ大切な学校との関係の保ち方

いずれにしても学校から連絡があるのは、「何かあった」からです。

最近はすっかりスマホで誰とでも連絡を取り合うものですから、家電が鳴るとちょっとビックリしますね。

家電にかかってくる内容と言えば、セールス、連絡網、そして学校の先生からの連絡事項。特に先生からの電話は、両親が働いているのを理解しているとだいたい遅めの夕方に家に電話がかかってきますから、「うわ、学校からかな」とちょっぴりイヤな予感がするものです。

病気やケガ等急を要する場合は携帯電話宛にかかってきます。あえて家電にかかってくるのはどんな場合なのでしょうか?

友達関係についての報告

まず多いのが、やはり友達関係でしょう。「今日、○○君とケンカになりました」なんていうパターンが多いですね。私は去年ですが、やはり夕方に電話が鳴り、

「実はですね」

と担任の先生が話を切り出してきました。この「実は」はあまり良くないシグナルなんですよ! 「実はですね、お宅のお子さんが表彰されました!」なんて事はなくて、「実は」の後は悪いニュースに決まってるんですから。

友達関係についてのトラブルは、電話でなるべく具体的に話を聞くのが大切なような気がします。先生によっては端的に話す人もいます。しかし、既に仲直りしているのか、相手の親に電話して謝罪すべきかどうか、この辺りの判断は微妙です。電話が終わったあと、もちろん子どもから話を聞き出すわけですが、子どもというのは得てして自分に不利な事は言いません。

先生の話をベースとし、子どもの意見に耳を傾けながら、子どもに何を諭すべきか、あるいは逆に「お前は間違ってなかったよ」と肯定してあげるべきか、親の判断が重要な場面です。電話がかかってきたら、聞き流してしまわずに対応しましょう。

子どもの行動に関する相談

「落ち着きがない」「集団行動が苦手なようだ」といった、「子どもの行動自体」を指摘される電話もあります。

こういう電話がかかってくると、母親としては非常に不安を覚えますが、まずは落ち着きましょう。先生の話をよく聞き、家での子どもの行動と併せて考えてみるようにしたいですね。夫婦でもよく話し合ってみて下さい。父親は違った視点で子どもを観察していることがよくあります。

先生の性格にもよるので一概に断言はできないのですが、行動自体に何かしらの問題があると判断して電話がかかってきた場合は、今日初めて目にした、というものではないはずです。

電話では聞きづらい事もあります。やはり直接話をする方が勘違いや勝手な推測が生じづらいので、何とか時間をやりくりし、先生との面談を実施したいところです。

教えてほしかった...... 電話がこないときもある

ところで、学校から電話がくると焦るものですが、かかってこないが為の問題というのもあります。

ある日次男は図工の時間に友達とケンカをしてしまったようです。学校で先生に親に報告するよう言われたらしく、帰宅して正直に「今日、○○君とケンカした」と告白してきました。理由を聞き「ケンカしたら仲直りしないとね」と話し、そこで私たち親子の会話は終わりました。

しばらくたって、別のママから真相を聞いてビックリしました。次男はどうやら頭にきた挙げ句、きびすを返した途端に側にあった絵の具のバケツをひっくり返した。それで相手のお子さんの洋服は思い切り汚れてしまったというのです。私はまるで知らずにいました。

ケンカ相手の親御さんの立場になって考えると、帰宅してみたら子どもの洋服がひどく汚れているとしたら、やはり「いったい何があったの!?」と子どもに問い詰めるでしょう。謝罪して欲しいとは思いませんが、正直なところ「相手の親はわかってるのかしら」くらいは考えます。

必要があるかどうかは個人個人の判断ですが、ただ私の経験から言えば、「大丈夫でしょうか」と相手の親御さんに連絡し、親が何を起きているか把握している方が、その後の関係もスムーズにいくことが多いような気がします。

ですが、「子どものケンカに親が入らない方が良い」というのも一理あるんですよ。ここが難しい所ですね。特に先生から連絡はないが、子どもの様子が今ひとつおかしい、聞き出してみたが明確にならない。こんな時は、こちらから先生に電話してもいいと思います。

この時は、なるべく短時間で終わるように、慣れないうちは聞きたいことを書き出しておくといいですね。先生の対応がどうの、学校の姿勢がどうのといった話ではなく「ウチの子がこんな様子ですが、もしかして何かありましたか」とわが子の学校での行動を教えてもらう為の電話です。

学校からの電話は忙しくても対応しよう

小学校からの連絡は、保育園の送迎時の「先生との立ち話」とは少々意味合いが違うというのだけは理解しておきましょう。

学校の先生の立場を、先生の視点になって考えてみる必要もあります。先生の始業時間は早く、本来の定時は16時台です。しかしほとんどの先生が残業をして、授業準備等を行っています。

最近は家電ではなく、携帯の番号を連絡先にしているかもしれません。その場合、学校から連絡があったら、ほんの5分、10分でいいので仕事を中座して、まず連絡をとる努力がワーママにも必要かな、と思います。内容によっては、翌日職場を早退してでも学校へ行き、直接先生と話した方がいい事もあるかもしれません。

「お忙しいのか、電話も留守電で出てもらえませんし、連絡帳に書いても見ていないようで、相手の親と話ができないんです」

といった旨の話を先生から実際に聞いた事もあります。フルタイムであろうがシフト勤務であろうが、「働いている」のは先生も私たちも同じです。「私は19時過ぎじゃないと、ゆっくり電話で話する時間がない」ではなく、先生の都合も理解して対応していきたいですね。

いずれにしても学校から連絡があるのは、「何かあった」からです。大切な子どもの事ですから、とりあえず連絡をし、必要に応じて「今は職場で長く話せないのですが」とおことわりして、お互いに都合の良い時間を調整しましょう。

親に求められる学校との関係の持ち方

率直な意見を言えば、最近はあまり「学校の判断」がバラバラなことが多い...... です。先生はあまりにも多くの仕事を抱え、対応も先生により差がありすぎる。先生に対する文句ではなく、それはただ目の前にある現実だから、親としては受け入れつつ、わが子にとって一番良い判断をしたいところです。

学校からの電話も、場合によっては納得できないこともあるかもしれません。そういう場合は、わが子を守るためにきちんと向き合うべきです。

ですが、先生に対する尊敬の念も忘れてはならないなと思います。好き嫌いではなく、子どもを導いてくれる先生に対して、敬いつつも、同時に、だからといって先生や学校が必ずしも常に正しいとは限らない、ということを同時に判断する力が、今、親に求められているように思えてなりません。

【ライター 大橋 礼】

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌! 本とお酒があればよし。

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