私たちは恐れずにいられるだろうか?

狂信と闘うための唯一の方法は、法における自由、平等、寛容、尊重の原則を強化することだ。
A woman has taped her mouth displaying the word Freedom on the tape, as she gathers with several thousand people in solidarity with victims of two terrorist attacks in Paris, one at the office of weekly newspaper Charlie Hebdo and another at a kosher market, front of the Brandenburg Gate near the French embassy in Berlin, Sunday, Jan. 11, 2015. in Berlin, Sunday, Jan. 11, 2015. (AP Photo/Markus Schreiber)
A woman has taped her mouth displaying the word Freedom on the tape, as she gathers with several thousand people in solidarity with victims of two terrorist attacks in Paris, one at the office of weekly newspaper Charlie Hebdo and another at a kosher market, front of the Brandenburg Gate near the French embassy in Berlin, Sunday, Jan. 11, 2015. in Berlin, Sunday, Jan. 11, 2015. (AP Photo/Markus Schreiber)
ASSOCIATED PRESS

私たちは恐れている。残忍なテロリストが風刺画家を殺し、ジャーナリストの首をはね、子供たちを射殺したことを。大義名分にされた予言者は草葉の陰で嘆いているはずだ。私たちは恐れている。パリ郊外に、いやむしろどんなに素晴らしい街のどんなエリアにでも、ジハードが根付くことがまたしても証明されてしまったことを。失う物は何もないと思う人々にとって、ジハードは栄誉を勝ち取るための歪んだ主張となった。

これが恐れずにいられるだろうか?西側も東側も、世俗国家も宗教国家も、単独行動の国も同盟で動く国々も関係なく、あらゆる政府は、最大限の被害を与えることを意図した攻撃から、市民を守ることができずにいる。ニューヨークのツインタワーでも、マドリードのアトーチャ駅の電車でも、ロンドンの地下鉄でも、ペシャワルの学校でも、パリの新聞社の編集室でも、コーシャー食品のスーパーマーケットでも。

恐れずにいられるだろうか?忍び寄る市民権の侵害を。違法な盗聴、法の適正手続きの簡略化、統制の強化、出入国管理の強化、秘密工作の増加、不透明性を増す公的機関、無人機の増加... 「安全か自由、どちらかを選べ」と彼らは言い、国防と諜報の予算は増額され、協力や教育や社会の統合といった、文明の強力な武器のための予算は減額される。

私たちは恐れている。人々の、直情的で危険で、あまりにも人間的な防衛反応を。これまでずっと恐怖をあおる集団を見てきた人々が、ポピュリズム、人種差別主義、イスラム嫌悪、反ヨーロッパ主義、反ユダヤ主義に染まるのに、もはや「だから言ったのに」と言う必要すらなくなることを。ルペンやPEGIDA、その他大勢の詐欺師たちが、複雑な問題への安直な解決策を売り込むのが目に浮かぶ。

私たちは恐れている。あからさまな、あるいは隠れた敵意に、これから多くのイスラム教徒たちが、隣近所で、職場で、学校で、キャンパスでさらされるであろうことを。スペインではイスラム教徒は人口の3%を占め、ヨーロッパで最もイスラム教徒の人口の割合が多いオランダでは6%を占める。フランスとシリアの国籍を持つ学生のレイラ・アラオフさんによるこの記事を読めば、当事者たちがどんな思いでいるかがわかる。

不安や恐れを抱くのは無理もない。シャルリー・エブドでの殺りくと、その後の、おそらくこれからも続く混乱の時が、私たちに与えた痛みを感じているなら。けれども、恐怖は必要不可欠な防衛メカニズムでもある。恐怖は、私たちのあらゆる感覚に警戒態勢をとらせる。最もかけがえのない、私たちの知性にも。そして知性が私たちに示す通り、狂信と闘うための唯一の方法は、法における自由、平等、寛容、尊重の原則を強化することだ。そうした共通基盤の上に私たちはヨーロッパを築いてきたのであり、この使命には今後も全力を注がなければならないのだ。

これが、12日にパリをはじめとする多くの都市に集まった何百万人もの市民の表情から、私が読みとったメッセージだ。私も恐怖や不安を抱いていて... そして、鉛筆とキーボードを武器に、闘う覚悟を決めている。恐怖に私たちを変えさせないために。

後記1: 真実とフィクション

1月9日の金曜日の夜、パリの襲撃事件の大々的報道が始まって3日が経った後(そしてもう何度目かわからないTwitterでのフィデル・カストロの訃報がデマと判明した後)、私は24時間放送のニュースチャンネルを見るのをやめて、何か緊張をほぐす助けになるものはないかと探した。早朝の時間帯にいくつかのチャンネルで同時に放送していたのは、ダイ・ハード/ラスト・デイ、ステルス、ザ・シューター、ワンス・アンド・フォーエバー、ウォーキング・トール。

どれを見ても、より多くの自動小銃、銃弾、殺戮、ヘリコプター...

私はシャルリー・エブドを襲撃したテロリストが逃亡時に実行した、アフメド・メラベ巡査の処刑のことを考えた。それは見たこともないほど残虐な光景で、悪夢のごとく私の視覚記憶に焼き付いていた。あのビデオをメディアが公開すべきか否かは論争になった。フランスでは、メラベ巡査に敬意を払い、公開されなかった。スペインでは公開された。その理由は、エル・パイス紙でオンブズマンのロラ・ガランが述べた通り、情報としての価値を尊重したためだ。

私は考えずにいられない。クアシ兄弟はこんな映画を生涯にいくつ見たのだろう?暴力にまみれたテレビゲームをいくつプレーしたのだろう?私たちが子供にクリスマスプレゼントとして贈るようなゲームを。

後記2: イスラム教侮辱罪でむち打ち刑

金曜日、サウジアラビアのジッダでブロガーのライフ・バダウィ氏が50回のむち打ちを受けた。同氏は「イスラム教を侮辱した」罪で懲役10年、むち打ち1000回の判決を受けて服役中で、これが最初のむち打ちだ。国境なき記者団のルシーユ・モリヨン代表によれば、バダウィ氏の罪は、サウジ社会の進歩についての公開討論の場を設けたことだという。11月、バダウィ氏は知の自由の振興に貢献した人物に贈られる「出版の自由」賞を受賞した。アムネスティ・インターナショナルなどの団体も、彼の釈放を求める活動をしている。

ライフ・バワディ氏は30歳。

このブログはハフポストUS版に掲載されたものの英訳版を翻訳しました。

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