国土地理院は6日、外国人に分かりやすい地図を作成するために必要な地名の英語表記ルールなどを定めた報告書をまとめ、公表した。観光立国実現や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な開催などに活用したいとしている。
報告書は、まずMt.Tsukuba(筑波山)、Tone River(利根川)など英語に置き換えやすい地名の表記ルール(置換方式)を定めている。一方、月山や荒川のように置換方式を適用すると日本人でも理解できないような地名については、Mt.Gassan、Arakawa Riverのように本来の地名を生かした表記ルール(追加方式)を設けた。
この英語表記ルールを、国土地理院が英語版地図を作成する際の基本とするとともに、関係機関、地方公共団体、民間地図会社などにも広く周知し活用を促進する、と言っている。報告書は、国土地理院のホームページから読める。
昨年6月に閣議決定された「科学技術イノベーション総合戦略2015」は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みを重点項目の一つに挙げている。この取り組みに関する九つのプロジェクトの最初に掲げられているのが「海外からの来訪者などに多様なサービスを提供するための意思・情報伝達サポートの実現」。
世界に誇る日本の文化である「おもてなし」をさらに発展させ、「来日客に対して移動や会話に伴うストレスのないやさしい誘導を行い、イベント・観光における感動共有を、都心部や観光地だけではなく日本のどこでも提供できる継続的取り組みにつなげていくことが必要」としている。
関連リンク
・国土地理院プレスリリース「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書」
・内閣府「科学技術イノベーション総合戦略2015」
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