今夜からあすにかけて、平地にも雪を降らせるような寒気が流れこみます。雪の便りが届く所はどこでしょうか?また、雪が降らない地域でも、冬の空気に入れ替わり、寒さが急に厳しくなりそうです。
■ 寒気の流れ込みは今夜から
上の図は、きょう(16日)とあす(17日)の、上空1500m付近の寒気の様子を表したもの。
「上空1500m付近でマイナス6度以下の寒気」が入ると、降水があれば平地でも雪が降る可能性が高いと考えられます。
きょう朝9時の時点では、その寒気は北海道の一部にしか流れ込んでいませんが、
あす朝9時になると、東日本から西日本の広い範囲に流れ込む見込みです。
今夜 雪の降るところは?
上の図でもわかるように、今回の寒気は九州や四国など、西日本に流れ込んできます。
このため、北海道や東北、山陰など、すでに初雪を観測している地域だけでなく、
九州・四国にも雪をもたらす可能性があります。
■ 今夜、雪の降る可能性があるのは、次の地域です。
「北海道」・・・広い範囲で降雪が予想されます。カミナリを伴う所もありそうです。
「東北」・・・日本海側だけでなく、岩手や福島などの太平洋側も、雪のまじる所があるでしょう。
「長野」・・・所々で雪雲がかかりそうです。
「中国地方」・・・鳥取・島根の山陰だけでなく、夜遅くになると広島でも雪が降りそうです。
「四国」・・・夜遅くには、広く雪の降る可能性があります。標高の高い所が中心ですが、峠道では注意を。
「九州」・・・福岡、佐賀、長崎が中心ですが、鹿児島でも雪雲のかかる所があるでしょう。
今シーズン初めての雪となる所は、冬用のタイヤを装着するなどの対策が必要です。
毎年雪の積もる地域でも、雪道の運転感覚を忘れてしまっていたりするので、いつも以上に慎重な運転を心掛けましょう。
■ 雪は降らなくても・・・寒さ厳しく
雪が降らない地域も、油断はできません。
なぜなら、今夜から「冬の冷たい空気」に入れ替わるのは、どこも同じだからです。
下の図は、きょうからあすにかけての、東京都心の天気と気温、風の予想。
今日午後3時の気温は17度4分の予想で、これは11月上旬並み。
日差しがたっぷりで、風も穏やかなため、昼間は冬のコートがいらないくらいの暖かさになりそうです。
日が暮れても極端に気温が下がることはありませんが…注目したいのは「風」です。
今夜9時は、北よりの風が4メートル吹く予想。
冷たい北風が吹くことで、気温の数字以上に寒く感じられそうです。
そして、あす午後3時の気温は12度1分までしか上がりません。これはほぼ平年並みですが、
暖かさに慣れてしまった体には、厳しい寒さになりそう。
あすは冬用のコートはもちろん、マフラーや手袋など、冬の装備をしっかりして出かけましょう。
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気象予報士
「どんなときでも、天気予報だけは必ず見る」NHK岐阜放送局のキャスター時代、取材に伺った職人さんから聞いた言葉です。天気次第で、仕事の進め方や作品の出来が変わってしまうとのこと。以前から「人の役に立つ情報を伝えたい」と考えていた私は、「これだ!」と思い、気象予報士を目指すことになりました。
その後、NHK名古屋放送局キャスターや中部支社での解説・予報業務を経て2015年春より日直予報士の一員に。
読んでくださった皆さんに、少しでも「役に立った」と思ってもらえる記事を目指します!