配偶者控除の見直し「幅広い検討必要」 具体策は先送りへ 政府税調

政府税制調査会は23日、基礎問題小委員会を開き、女性の働き方の選択に対して中立的な税制として検討課題となっている「配偶者控除」の見直しについて論点整理を行った。 所得税の課税範囲や他の控除も含めた幅広い検討が必要との認識で一致。具体的な見直しの方向性については結論を先送りした。中里実・税調会長が終了後の会見で明らかにした。
時事通信社

[東京 23日 ロイター] - 政府税制調査会は23日、基礎問題小委員会を開き、女性の働き方の選択に対して中立的な税制として検討課題となっている「配偶者控除」の見直しについて論点整理を行った。

所得税の課税範囲や他の控除も含めた幅広い検討が必要との認識で一致。具体的な見直しの方向性については結論を先送りした。中里実・税調会長が終了後の会見で明らかにした。

会合では、控除を見直す方向では一致。ただ、女性の働き方の選択に対して中立的な社会制度を構築していくためには、税制のみで問題を解決することは困難だとの意見が大勢で、社会保障制度や企業の賃金制度などの課題も同時に検討する必要があるとの認識で一致した。

また、基幹税である所得課税の課税ベースや他の控除のあり方も含め総合的に検討する必要があるとの認識でも一致。今後、時間をかけて議論していくこととなった。

6月にまとめる政府の「骨太の方針」では、「働き方の選択に対して中立的な税制・社会保障制度」の構築が検討課題のひとつにあがっている。税制面の課題については、与党税調や政府税調の検討結果が反映されるが、中里会長は配偶者控除見直しについて「幅広い議論が必要というのが(税調の)まとめだ」と述べ、政府税調として具体的な見直しの方向性まで踏み込まない考えを示唆した。

(吉川裕子)

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