政府の借金、2014年度末には1144兆円に 「消費増税は予定通り」とエコノミスト予測

政府の借金が増え続けている。財政健全化と消費増税を巡って様々な意見が出ている。

財務省は11月10日、国債や借入金などを合計した額が、9月末時点で1038兆9150億円になったと発表した。過去最大だった6月末の1039兆4132億円と比べると4981億円の減少となるが、2014年度に入って約14兆円増えており、2015年3月末には、約1144兆円になる見込みだという。

6月末に比べて借金が減少したのは、一時的な資金不足を補う政府短期証券の残高が減少したことによる影響が大きいが、これは、税収などの余裕金を充当したためだという。しかし、国債の額は増えるなど、依然として借金が増加するトレンドは変わっていない。

借金が減らないと、債務による利払いが増え財政赤字を拡大させることになる。財務省が2014年1月に発表した仮定計算では、今後も利払費は増え続け、2020年度には20兆円を超える状態になるという。

政府は税制健全化を進めるとしており、2015年10月にさらなる消費増税などを行う予定だが、2014年4月の消費増税の影響で2014年4-6月期の国内総生産(GDP)が大幅に縮小したこともあり、与党内部からも増税時期を延期すべきとの声も出ている。

安倍晋三首相は、財政健全化は大事としながらも、消費税率のさらなる引き上げによって経済のトレンドが崩れることがあってはならないと述べている。しかし、麻生太郎財務相など与党内には増税論者も多く、延期を決断する場合の説得手法が注目されているという。

なお、ブルームバーグの調査に回答したエコノミストの15人のうち、12人は税率を計画通りに引き上げると予測している。モルガン・スタンレーMUFG証券のチーフエコノミスト、ロバート・フェルドマン氏は「増税先送りの場合に生じる影響は財政赤字圧縮のための信頼性ある代替手段を見つけられるかどうかに左右される」としており、「代替案があれば、先送り決定の悪影響はないかもしれない」が、「そうでない場合は、日本は市場からの信頼喪失に一歩近づく」と指摘している。

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