対中ODAを終了へ 総支援額は約3兆6500億円

中国側は対中ODAに戦後賠償の代替の意味合いがあるとの認識も
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円借款を利用して、南北を結ぶ重要幹線の一つである衡陽-広州間の鉄道複線化、郴州・邵関の電化を行い、輸送力の拡充を図った。
JICA

日本政府は、約40年にわたって続けてきた中国に対する政府開発援助(ODA)を、2018年度の新規案件を最後に終了する方針を固めた。今後は第三国での開発に関して協議する「開発協力対話」を立ち上げ、途上国支援などで連携を図るという。10月23日、共同通信などが報じた。

■対中ODAとは

ODAとは、先進国の政府が発展途上国に対して行なう技術的、金銭的な援助のこと。日本の対中ODAは、日中平和友好条約が発効した翌年の1979年に始まった。

1978年、中国では鄧小平らが文化大革命後の経済を立て直すための「改革・開放」を始めていた。79年に中国を訪れた大平正芳首相は「より豊かな中国の出現がよりよき世界に繋る」と述べ、支援を開始。日本の援助は、中国にとっては、西側諸国から初めて供与されるODAだった

当初の対中ODAでは、鉄道や発電所など、大型インフラ整備のために、低い金利でプロジェクト資金を貸し付ける円借款(有償資金協力)が中心だったが、北京五輪の2007年に新規供与を終了した。背景には、中国の経済成長や日本の財政難のほか、中国の軍事費の増大や援助を受けながら他国へ援助をしていることなどに対する日本側の強い反発もあった

日本の総支援額は、約3兆6500億円に上る。2000年に来日した中国の唐家セン(王へんに旋)外相(当時)は、日本記者クラブでの講演で、「中国に対するODAは、戦後賠償に代わる行為である」と述べた。中国側は対中ODAについて、請求を放棄した戦後賠償の代替の意味合いがあるとの認識を持っている。

■今後の流れは?

ODAの終了は、安倍首相が10月26日の李克強首相との首脳会談で提案し、理解を得る見通しだ

その後、日中両政府は「開発協力対話」を立ち上げ、途上国支援などで連携を図るとみられる。菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で「対中ODAのあり方を含め、今後の日中の協力について意見交換する予定だ」と述べた