「ルイ・ヴィトン」のショーは、男泣きで幕を下ろした。 長い長い、虹色のランウェイに込められた意味とは。

ヴァージル・アブロー初のコレクションは、エモかった…。
Open Image Modal
(6月21日=フランス・パリ)
Charles Platiau / Reuters

「ルイ・ヴィトン」のパリコレが、涙の滲むようなものになるなんて、誰が予想しただろう?

ファッションブランド「ルイ・ヴィトン」が6月21日、フランス・パリで「2019年春夏メンズ・コレクション」のショーを開いた。同ブランドが初めての黒人デザイナーとして3月に迎え入れたヴァージル・アブローが手がけた、最初のコレクションがお目見えした。

ヴァージル率いる新生「ルイ・ヴィトン」が、世界に向けて表現しようとしたメッセージとは、なんだったのか。

長い長い、虹色のランウェイ

会場はパリの中心部、パレロワイヤル。全長200メートルに及んだというランウェイは、白、赤、黄色、緑、...と虹色にグラデーションする。

通常のパリコレのランウェイは、報道関係者らが何列にも並んでひしめきあい、登場するモデルたちを注視するイメージが強い。しかしこの日のランウェイは少し違っていた。WWDによれば、長いランウェイの両脇には、虹色のTシャツを身につけた700人のデザイン学校の生徒たちがいた。ヴァージルの、"本物の高級品"を次の世代の若者にも、開いていきたいという思いを反映している。

ショーのはじまりは、「白」から。

ショーの最初は、全身に白のアイテムを身にまとったモデルたちが次々と登場した。彼らは全員、黒人のモデルだ。

Open Image Modal
Charles Platiau / Reuters

その後、コレクションはだんだんとカラフルに展開していく。虹色のランウェイを歩くモデルたちの見た目は、多種多様だ。

Open Image Modal
Victor VIRGILE via Getty Images
Open Image Modal
Victor VIRGILE via Getty Images
Open Image Modal
Victor VIRGILE via Getty Images

ヴァージルは「このショーに絶対欠かせないのは、ルイ・ヴィトンのブランドが持つ『旅』というDNAともつながる、世界目線の多様性」なのだとInstagramにつづっている。

それは、ショーで配られた世界地図にも現れていた。

地図上には、出演したモデルが生まれた場所、そしてその両親の生まれた場所に印がつけらた。

ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア、そして日本...。世界中のドットが、今このショーに集まっているのだと、その地図は伝えていた。

感極まって、男泣き

ショーには、ラッパーのカニエ・ウェストが妻のキム・カーダーシアンとともに参加した。カニエとヴァージルはお互いを深く尊敬し合い、音楽やファッションなどのカルチャーシーンをともに引っ張ってきた盟友だ。

ショーの最後にランウェイに登場したヴァージルは、カニエの姿を目にした瞬間、彼に歩み寄り、固く抱擁した。感極まった2人の目には涙が溢れた。そんな2人を、同じくヴァージルと親交の深いアーティストの村上隆氏が、暖かく見守った。

ルイ・ヴィトンのショーは、こうして熱い男泣きで幕を下ろした。

ショーの翌日、ヴァージルは、ランウェイに立つ自分の写真とともに、「you can do it too...(あなたにだってできる)」というメッセージを発信した。

ヴァージル・アブローとは

ヴァージルは1980年、イリノイ州生まれのアメリカ人。ガーナ人の両親を持つ。

ヒップホップやストリートカルチャーを源にした自身のブランド「OFF-WHITE(オフ・ホワイト)」を2014年に立ち上げ、一躍有名になった。カニエ・ウェストのクリエイティブ・ディレクターを務めたり、同時期にLVMHグループの「FENDI」でカニエとインターンをしたりするなど、親交が深い。

2018年3月に、ルイ・ヴィトン初の黒人デザイナーとして、メンズコレクションの責任者に就任した。

▼ルイ・ヴィトンのコレクション(ヴァージルが登場するのは11分55秒ごろ)