杉田水脈議員の寄稿文、何が問題だったのか。LGBTは「生産性がない」に相次ぐ批判

「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」
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杉田水脈衆院議員
時事通信社

自民党の杉田水脈衆院議員(比例・中国ブロック)が7月18日発売の「新潮45」2018年8月号に寄稿した文章「『LGBT』支援の度が過ぎる」への批判が広がっている。

「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」

寄稿文はどんな内容だったのか。

杉田議員は、寄稿文で「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」として、LGBTへの差別を解消する動きについて疑問を呈した。

また、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのでしょう」などと持論を展開している。

相次いだ批判

この寄稿へは批判が相次いだ。

LGBT関連の法整備を求める団体でつくる「LGBT法連合会」は、7月23日に抗議声明を発表。

日本のLGBT当事者が、 学校や職場、医療面や地域など様々な場面で差別を受けていることは、同会の調査や内閣府の世論調査でも明らかだと指摘する。

自民党が2016年にまとめた「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」でも、党の取り組みとして「当事者の方が抱える困難の解消をまず目指すべきである」とされていると反論した。

また、「生産性」を引き合いに出す主張については、人権の観点などから「問題」だと非難。そして、現実に存在する「性の多様性」を無視し、与野党、並びに行政や各種団体が進めている施策の実施に反するもので、「国会議員としての氏の資質に疑問を抱かざるを得ない」と批判した。

自民党の先輩議員は「間違ったこと言ってない」と擁護?

杉田議員の寄稿はネット上などで批判を受けた。

しかし、杉田議員は続いて「 LGBTの理解促進を担当している先輩議員が『雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから』と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます 」などとツイート。

さらに「自民党に入って良かったなぁと思うこと。『ネットで叩かれてるけど、大丈夫?』とか『間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ』とか『杉田さんはそのままでいいからね』とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること」とも投稿した。

自民党の「基本的な考え方」とも違う杉田議員の意見

ただし、自民党内には、まったく違う議論もある。

自民党の「基本的な考え方」では、「現状と課題」のなかで、性的指向・性自認の多様なあり方について、社会の理解が進んでいるとは必ずしも言えないとして、いまだにいじめや差別などの対象とされやすい現実があると指摘している。

また、杉田議員は寄稿で、「LGBは、性的嗜好の話です。以前にも書いたことがありますが、私は中高一貫の女子高で、まわりに男性がいませんでした。女子高では、同級生や先輩といった女性が疑似恋愛の対象になります。ただ、それは一過性のもので、成長するにつれ、みんな男性と恋愛して、普通に結婚していきました。マスメディアが『多様性の時代だから、女性(男性)が女性(男性)を好きになっても当然』と報道することがいいことなのかどうか」「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は、『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません」などと主張していた。

しかし、自民党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」は当事者たちへのヒアリングの結果、「さまざまな侮蔑的な表現や『~であることが普通』といった表現により人知れず傷つくことが多い」ことが明らかになったとしている。

ツイート削除、原因は「殺人予告」と説明。

このような中、杉田議員は7月23日、一転してこれらのツイートを削除。「殺人予告」が届いたため、「一連のLGBTに関連する投稿は全て削除いたしました」と説明した。

杉田議員の事務所はハフポストの取材に対し、「警察に対応を任せているので、コメントできない」と述べた。