【あいちトリエンナーレ】「表現の不自由展」再開は「最後の協議中」。 津田大介氏が語る

「感情の対立を『情け』で乗り越えられるかどうかがトリエンナーレ全体としても問われているのではないか」と語りました。
「表現の不自由展・その後」の扉
「表現の不自由展・その後」の扉
Yuriko Izutani/Huffpost Japan

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」も残り9日。10月6日には前日に続いて、津田大介芸術監督や作家らが参加する「あいちトリエンナーレ2019国際フォーラム 『情の時代』における表現の自由と芸術」が開かれた。

トップバッターで約18分間マイクを握った津田さんは、早ければ6日から再開するとされていた「表現の不自由展・その後」の再開について「最後の協議中だが、予断を許さない状況だ」と語った。

津田さんは前日5日のフォーラム終了後に報道陣の取材に応じ、不自由展の再開について「8日以降」との見通しを示し、「海外、国内アーティストから『8日に再開できないならボイコットする』という話も出ている。様々なステークホルダーとの調整が続いている。交渉が決裂したら、トリエンナーレ自体がそこで終結してしまう可能性がある。緊張感が高まってきている」と語っていた。

6日はフォーラムで行なったプレゼンテーションの中で、「まさに再開に向けた最後の協議中。この(フォーラムの)裏側でも協議をしていて、もう少しで妥結ができるラインは見えているが、その中で譲れない一線というのがあって、実際に妥結できるかはまだ予断を許さない状況だ」と状況を明かした。

さらに、トリエンナーレ実行委員会と不自由展実行委の間に「感情のもつれがたくさんある」として、こう指摘した。

「僕もそこの交渉を見守るしかない。やはり感情のもつれみたいなものが、中止から今に至るまでたくさんある状況の中で、感情の対立を『情け』で乗り越えられるかどうかがトリエンナーレ全体としても問われているのではないか」

津田さんが設定した今回のトリエンナーレのテーマは「情の時代」。「情」には、「感情」「情報」「情け」という3つの意味がある。

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「伝える」が、バズるに負けている。ネットが広まって20年。丁寧な意見より、大量に拡散される「バズ」が力を持ちすぎている。

あいちトリエンナーレ2019の「電凸」も、文化庁の補助金のとりやめも、気軽なリツイートのように、あっけなく行われた。

「伝える」は誰かを傷つけ、「ヘイト」にもなり得る。どうすれば表現はより自由になるのか。

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