二階発言「“産まない方が幸せ”は勝手な考え」「食べるのに困る家はない」に怒り広がる

野田聖子氏は「二階先生では若いママの代弁はできないでしょ?」と本音を明かしていた。
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(写真はイメージ)報道陣の取材に応じる自民党の二階俊博幹事長=首相官邸 撮影日:2018年06月18日
時事通信社

自民党の二階俊博幹事長は6月26日、東京都内での講演後の質疑の際、「このごろ、子どもを産まないほうが幸せに(生活を)送れるんじゃないかと、(一部の人は)勝手なことを自分で考えてね」と述べた。子どもを持たない家庭を批判したとも受け取れ、波紋を呼んでいる。

TBSラジオによると、二階氏は、講演の参加者から「自民党と政府が一体になって、早く結婚して早く子どもを産むように促進してもらいたい」といわれると、「大変、素晴らしいご提案だと思います」などと以下のように発言したという。

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そのことに尽きると思うんですよね。しかし、戦前の、みんな食うや食わずで、戦中、戦後ね、そういう時代に、「子どもを産んだら大変だから、子どもを産まないようにしよう」といった人はないんだよ。

この頃はね、「子どもを産まない方が幸せに送れるんじゃないか」と勝手なことを自分で考えてね。国全体が、この国の一員として、この船に乗っているんだからお互いに。

だから、みんなが幸せになるためには、これは、やっぱり、子どもをたくさんを産んで、そして、国も栄えていくと、発展していくという方向にみんながしようじゃないかと。その方向付けですね。みんなで頑張ろうじゃないですか。

食べるのに困るような家はないんですよ。実際は。一応はいろんなこと言いますけどね。今「今晩、飯を炊くのにお米が用意できない」という家は日本中にはないんですよ。だから、こんな素晴らしいというか、幸せな国はないんだから。自信持ってねという風にしたいもんですね。

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これを受けて、ネット上では「子どもを産みたくなる環境を作るのが政治家の仕事だと思う」「余計なお世話です」といった批判の声が溢れている。

同党では5月にも加藤寛治衆院議員が女性に3人以上の出産を呼びかけていると発言している。

貧困問題、認識のズレ

また、日本では就労している「ひとり親世帯」の貧困率が50.8%となるなど経済協力開発機構(OECD)の調査でも、主要国で最悪レベル

途上国のような衣食住のままならない「絶対的貧困」の状態ではないが、最低限の衣食住環境で教育や余暇などにお金をかけられない「相対的貧困」は、日本の社会問題となっている。

そんななか、二階氏の「食べるのに困る家はない」という発言については、「食べさせるだけじゃなくて、教育だって受けさせなきゃならないんだよ」「貧困層でまともな教育も受けさせれないかもしれないから、それを改善するのが政治家じゃないんですか」などと疑問の声が上がった。

総務相の野田聖子氏は2017年11月、朝日新聞のインタビューで、「二階先生では若ママの代弁はできないでしょ?」と本音を明かしていた。野田氏は、衆院選後の女性議員の比率の低さについて言及し、国会にはもっと多様性が必要だと訴えていた。

少子化や貧困に対して、自民党の幹事長としての認識が問われている。