自民党憲法改正推進本部の再開など

今週も「地方創生と我が国の安全保障」と題する講演が多い一週間でした。

石破 茂 です。

小池百合子都知事が希望の党代表を辞して都知事に専念することを表明したことは、極めて当然のことと思います。首都東京の知事と国政政党の代表という二つの激職を兼ねることはいかな超人であってもまず不可能なのであって、結局どちらも中途半端に終わりかねないことでした。

しかし、民進党という、憲法観も政治に対する価値観も大きく隔たった人々が一つの党を構成しているという状況が解消されたことは、日本政治にとって一つの前進であったように私は評価しています。

かつて同盟系の労働組合を支持母体として存在していた民社党は、憲法観や安全保障観において自民党よりも優れた面が多々ありましたし、西尾末広氏や春日一幸氏らの所論には大いに共鳴したものでした。

希望の党の前途はまだまだ多難と思われますが、「働く人の幸せを第一に考える」「健全な国家観に基づき現実的な外交・安全保障政策を採る」という路線を貫いて、旧民社党のように自民党に良い刺激を与える党になって貰いたいと思います。

昨日、自民党憲法改正推進本部が再開され、第9条、緊急事態条項、教育無償化、合区解消に向けての議論が行われています。昨16日の会合では合区解消について概ね一致を見ましたが、衆・参両院の役割の見直しについての議論は先送りの形となりました。

そもそも昨年の参議院選挙の際に、合区などという手法を採ったこと自体が間違いだったとの思いが拭えない中、憲法上規定されている「法の下の平等」を超える憲法理論を見出すためには、この議論は避けて通れないように思われます。私自身は、衆議院を「権力を創る院」、参議院を「権力を監視する院」として位置づけ、機能を分化するべきだと考えています。

もっともこの議論を始めると、自民党対各党、各党内部でも衆議院対参議院、都市対地方、参議院内部でも選挙区選出議員対比例区選出議員等々、様々な思惑や利害が交錯し、果てしない応酬が繰り返されて全く結論が得られないことは必定で、残念ながらとても実現可能性があるとは思えません。

私は決して一院制論者ではありませんが、議院内閣制の下で二院制を採る以上、ほとんど同じ権能を持った院が二つ存在することは二院制の妙味を欠くもので、三権分立の観点からも、行政権力から独立した第二院の存在が必要であり、そのためにも第一院との権限の分担・調整が必要と考えています。

類似した選挙制度と権能を持つ院の選挙が毎年のように繰り返されることは、国政の安定性から考えても決して好ましいものではありません。

今週も「地方創生と我が国の安全保障」と題する講演が多い一週間でした。

毎回構成はほとんど一緒なのですが、聴衆の方々の反応を見ながら少しずつリニューアルするように心がけています。毎回新たな気付きや出会いがあり、とても有り難く思っていますが、「こんな話は初めて聞いた」との反応が多いことに前途遼遠の感を深くしてもおります。

13日月曜日に開催させて頂いた「囲む会」には多くの皆様にご参加頂き、誠に有り難うございました。おかげさまで盛会裡に終えることが出来、心より感謝申し上げます。何かと不行き届きの点はどうかご容赦くださいませ。

週末は、18日土曜日が平成29年度自衛隊音楽まつり(午前10時・日本武道館)、鳥取県立八頭高等学校翠陵会(正午・都内)、成蹊大学文化祭「欅祭」政治学研究会で講演(午後2時・成蹊大学8号館・武蔵野市吉祥寺)、第3回Japan fisherman's festival 2017(午後5時・日比谷公園)、伊藤病院創立80周年記念祝賀会(午後6時・都内)、テレビ朝日AbemaTV「みのもんたのよるバズ!」出演(午後八時・テレビ朝日けやき坂スタジオ)という日程です。

自衛隊音楽まつりに行くのは本当に久しぶりですが、音楽隊員諸官の自衛官としての矜持に満ちた壮大華麗なステージにはいつも感動させられます。自衛隊に関心のおありでない方々にも是非一度ご覧頂きたいステージです。

街には早くもクリスマスのイルミネーションが輝き、クリスマスソングが流れています。この間まで夏だったのに...まだひと月以上もあるのに...と思ってしまいますが、クリスマス商戦に向けて雰囲気を盛り上げるためなのでしょうね。焦燥感ばかりが募ります。

皆様良い週末をお過ごしくださいませ。

(2017年11月17日「石破茂ブログ」より転載)