ジャニーズ事務所の記者会見はなぜ、“2時間限り”だったのか。事務所の主張は?コンサル会社に委託した経緯も説明

指名NGリスト以前に、そもそも「制限時間」が設けられたことに対し、多くの疑問があがった10月2日の記者会見。事務所側の説明を改めて詳しくみていく。
10月2日の会見で報道陣に囲まれるジャニーズ事務所側の代表=東京
10月2日の会見で報道陣に囲まれるジャニーズ事務所側の代表=東京
Tomohiro Ohsumi via Getty Images

ジャニーズ事務所が10月10日、「NGリストの外部流出事案に関する事実調査について」と題した文章を公式サイトで発表した。10月2日に開催された記者会見で「2時間」という制限時間を設けた背景や、特定の記者の「指名NG」リストが作成されていた問題について、事務所としての見解を発表した。

事務所側はどのように説明したのか。改めて詳しくみていく。

会見はなぜ2時間で終了したのか

4時間超の長丁場となった9月7日の会見とは対照的に、2時間あまりで終了した10月2日の会見。ジャニーズ事務所はその理由に“会場確保の難航”を挙げた。

事務所側は「10月2日は都内のホテル等では企業の内定式が多く開催」などと理由を挙げ、記者会会見を行う会場の決定に難航したと釈明。結果的に会見場所は確保したものの、「事前の会場設営やリハーサル、後片付け等の時間を踏まえると、会見時間としては2時間程度しか確保できなかった」と主張した。

また前回の会見後、複数のテレビ局や新聞社から「多くの記者が質問をしたい中で特定の記者がマイクを長く握って説明や意見表明に時間を割いてしまい、したい質問が出来なかった」、「不規則発言が多いのでもっと整然とまともに質問ができる場を整えてほしい」などの意見が寄せられていたと説明。

こうした「報道機関からのフィードバック」を踏まえ、「質疑応答の進行をより整然と秩序立てて進める必要があると考えていた」と主張した。

さらに、会見を運営するコンサルティング会社「FTI Consulting」や事務所の代表者などが参加した9月30日の打ち合わせで、FTI側が「指名候補記者リスト」や「指名NG記者リスト」を一部の参加者に配布した、と説明した。

これに対し、事務所側の参加者から指摘が上がり、FTI側から「『NG』というのはあくまで『要注意』であり、発言順序を留意する必要があるという意味だ」という趣旨の説明があったとしている。リストで「NG」とされている記者についても、時間の許す範囲で指名して質問に対応しなければならないという方針でまとまった、と説明している。

一方、会場に持ち込まれた顔写真付きの「NGリスト」を巡っては、FTIの担当者が事務所側の了解を得ないまま独断で作成したものだと明記。事務所側は「作成・共有などには一切関与していない」と主張した。

そもそもなぜ、会見はコンサル会社による運営だったのか

そもそも、なぜ記者会見がFTIの運営のもとで行われたのか。事務所側はその点について、委託した経緯についても補足説明した。

事務所側は、9月7日に開かれた記者会見の実施に際し、「このような事例の記者会見の設営・運営を行った経験に乏しかった」ため、専属の法律事務所の弁護士に会見運営の受託業者の提案を依頼したという。そこで紹介されたのが同社であり、続く10月2日の記者会見も同社に委託したと説明した。

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