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検察官は「どれほどの空腹や暴力による苦痛を感じ、死に至ったか。『自分だけ愛されていない』と自分の存在価値を否定される苦痛も味わったに違いありません」と断じた。
優里被告は、結愛ちゃんが亡くなったことの責任について「刑務所に、20年とか30年とか、入っただけじゃ償いにもならない。でも、死刑になったくらいでは、軽々しい。どうやって罪を償えばいいか分からない」と叫ぶように答えた。
結愛ちゃんから“じいじ”と呼ばれ、慕われていた祖父。虐待死するまで、娘夫婦の家庭環境の変化に気が付いていなかったことを目に涙を浮かべて悔やんだ。
優里被告は最後に「結愛をぼろぼろにして死なせてしまった事への罰はしっかり受けたいと思います」と述べ、一礼した。判決は9月17日に言い渡される予定だ。
6人の裁判員は、「なぜ結愛ちゃんの顔を見るのが怖かったのか」など、公判で語られた優里被告の受け答えに対する疑問をぶつけた。
母親の優里被告は、結愛ちゃんが「ゆるして」と書いた手紙を読みながら助けなかった自分に「私と雄大が結愛を追い込んでいたとしか思わないです」と語った。
夫から「太った女は醜い」と言われ続け、目の前で食事ができず過食嘔吐を繰り返したという船戸優里被告。そのSOSはなぜいかされなかったのか。
母親の責任の程度、子どもを死に至らしめた役割の重要性などを検察側は言及した。
法廷には声を押し殺した泣き声が響いた。「結愛も私も、雄大から…報復されるのが怖くて、それで、私の……私が通報しません…できなかったんです」
船戸優里被告は、当時5歳11カ月だった長女・結愛ちゃんを衰弱させ、死亡させたことを認め、夫の雄大被告から心理的DVを受けていたと主張した。