中国で「無人クリニック」が発表される。 ソフトバンクも出資するハイテク企業

数分で診断、自販機で薬を購入するモデルだ
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中国で発表された無人クリニック
PING AN HEALTHCARE AND TECHNOLOGY

中国のテクノロジーイベントで11月7日、無人診察所の試作品がお目見えした。証明写真ボックスほどの大きさの室内でAIを使った医療診断を受けたあと、併設された自動販売機でおすすめの薬を購入することができる。

無人クリニックを開設したのは、ソフトバンクが約4億ドル(約456億円)を出資する中国のオンラインヘルスケアサービス大手「平安健康医療科技」だ。

発表によると、今回オープンした「ワンミニッツ・クリニック(1分間診療所)」は、まず、人工知能の医者(AIドクター)が、患者の声や画像などを通じて、初期診断をする。その初期診断を、実在する人間の医師が確認し、正式な診断を下すという仕組みになっている。追加の医療情報を提供したり、薬の摂取方法をアドバイスしたりすることも可能で、処方箋も出す。この流れを、数分で完了する。

併設する自動販売機では、約100種類のよく使われる薬を販売。この自動販売機で薬を購入できなくても、同社の展開するスマホアプリ「平安好医生」(Ping An Good Doctor)でオンライン注文すれば、1時間以内に提携した薬局で薬を受け取ることができる。

平安健康医療科技は今後、この1分間診療所を、薬局や観光地、ショッピングモール、高速道路サービスステーションなどに展開したいとしており、年末までに中国全体に約1000台の設置を目指すという。

■アプリ「平安好医生」の利用者は約2億人

平安好医生は、提携する医師とのオンライン健康相談や病院の予約が可能なアプリで、既に約2億人のユーザーがいる。1日あたりの診察数は、37万件に達し、これまで3億件以上のオンライン診察のデータを蓄積した。

平安健康医療科技はこのデータをAIの研究開発に利用。平安好医生でもAIによる診断を活用することで、実在の医師の診察時間を短縮することに成功している。